開業成功のポイントを時系列・具体的に解説 ―― 新規開業予定者のための講習会  PDF

 新規開業を考えている勤務医を対象に「新規開業予定者のための講習会」を19年11月17日に開催した。廣井増生税理士事務所所長の廣井増生氏より「開業を成功に導くための秘訣~押さえておくべきポイント~」をテーマに講演。その後、医療法人双樹会よしき往診クリニック院長の守上佳樹氏(西京)より開業時の経験を話していただいた。共催は有限会社アミス。

廣井氏「開業の目的は明確に」

 廣井氏は、成功の秘訣として開業する目的をしっかり持つことが重要であり、その目的が医療機関の全てを決めていくことになる。少しでも開業への迷いがある中ではうまくいかない、と開業への思いと決断時期の大切さを述べた。開業準備期間はバックアップする人の支援力で大きく違い、その人選が最大のポイントになる。立地選定時のポイントとして、交通の便利さ、立地する街は今後人口が増え成長していくか、競合施設の有無などを事前に調査することを挙げた。その他にも、開業までのスケジュール・開業資金の調達方法・スタッフの募集採用の留意点などを詳しく解説した。

守上氏「在宅医療のニーズ高く」

 先輩開業医からのアドバイスとして守上氏は「これから高齢者の人口が増え、在宅医療のニーズはさらに高まっていく。その中で外来と併せて在宅医療に取り組む割合によって医院の収入は大きく変わってくる」と述べた。在宅医療を取り組むにあたっては、人材の確保が必要であり「スタッフの採用は、自分で会って医院の理念などを話して共感してもらえる方を採用しており、チームワークが重要だ」とアドバイスした。また、開業医同士の関係づくりに関して「ざっくばらんに相談できる仲間をつくることも大切。経営や人事の情報を交換することで、大変なのは自分だけではないと思える」と述べた。
 最後に、曽我部俊介理事より地区医師会への入会手続きと会員医師の経営と生活をサポートする保険医協会の各種共済制度を説明した後、参加者からの質問等に対応し、講習会を終了した。参加者からは「全体を通した開業までの準備を知ることができ、大変参考になった」等の感想をいただいた。
 次回の講習会は、5月17日(日)午前10時から開催を予定しており、開業を検討中の方のご参加をお待ちしている。

ページの先頭へ