協会は与謝・北丹医師会との懇談を2月8日、宮津市の文珠荘で開催。与謝医師会から9人、北丹医師会から5人、協会から5人が参加した。懇談は与謝医師会・日置潤也常務理事の司会で進められ、同会・今出陽一朗副会長が「新型コロナウイルスへの情報収集、対応に苦労されているところ北部まで足を運んでいただきありがたい。協会70周年を迎えての記念誌発刊は喜ばしい」と開会あいさつ。同会・岡所明良監事からの提案で、議題の順序を入れ替えて地区からのテーマに基づく討論を先に行い、活発な意見交換が行われた。
地区からのテーマは、①従業員の雇用に関しての注意すべき点②2020年度診療報酬改定③製薬会社主催による学術講演会④地域医療構想における外来医療計画―の4点。
協会は、①については、労働時間法制の見直しで、有給休暇付与日数が10日以上ある職員対象に年5日間取得させることが雇用者に義務づけられたことには注意を喚起した。
②については、主要な改定項目を説明し、機能強化加算や診療情報提供料(Ⅲ)など変更点について意見交換した。
③については、製薬協の規制が厳しくなり、製薬会社との共催の講演会を開きにくくなっていることに関して、各地区で苦慮している現状が語られ、協会としても意見を上げてほしいとの要望があった。協会主催の講演会は、テーマを決めてから見合う内容で協賛を受けられるところを募るスタンスのため、協賛なしでの開催や開催できない場合もあると説明。生涯研修としての講演会は重要だと思っており、正常な形にするための意見を検討したいとした。
④については、協会の「医師偏在対策とかかりつけ医登録制について」のプレゼンで説明。これに対し、「地域再生が基本という協会の視点はその通り」との賛意があり、「このまま外来患者が減って、採算があわなくなれば撤退しないといけなくなる」との危機感が示される一方で、「教育、医療、介護、福祉がないと地域は成り立たない。京丹後では医療・介護・福祉人材は600人を超える一大産業となって地域を守っており、それが他分野とも繋がっていけば、明るい可能性も見えてくる」との意見もあった。また、府の医師確保計画が二次医療圏単位であることに疑問を呈した協会の指摘に対しても、地区から広い範囲の統計で実情は語れないとして、バス路線廃止で外来通院の移動手段がなくなっていることなども考慮すべきとの意見があった。
懇談会は、北丹医師会・斉藤治人会長の「これからも協会として存在感を示してほしい」との閉会あいさつで締めくくった。
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