協会は、西京医師会との懇談を1月31日に開催。地区からは10人、協会から5人が出席した。懇談会は西京医師会の今井史朗理事の司会で進行した。
冒頭、同会の福本和生会長が開会あいさつ。コロナウイルスの感染拡大が危惧される中、地区としてしっかり対応したいと述べた。続いて協会の鈴木卓理事長があいさつ、各部会からの情報提供の後、地区から寄せられた「マイナンバーカードに健康保険証機能を持たせることについて」をテーマに意見交換した。
地区からは、近い将来マイナンバーカードに保険証機能を持たせる計画があると聞いている。カード普及を目指す国の動きと考えるが、実際の進捗状況は、との問いかけがあった。
これに対し、鈴木理事長は昨年国会成立した「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」により、被保険者番号が個人単位化され、全国民それぞれの番号が振られる。これをICチップが埋め込またマイナンバーカードで各医療機関が資格を確認できるようにする。それに向け、国は約918億円の財源を注ぎ込んで医療機関へのカードリーダー導入を進め、これを国保連・支払基金とオンラインでつなぐことを考えている。国は2021年4月からの制度運用の開始を目指しているが、マイナンバーと患者の医療情報の紐づけが可能となり、ビッグデータとしての活用、第三者提供、新産業創出など、成長戦略へつなげる狙いがある。個人情報の漏洩も含め、さまざまな問題が予想され、国に対する取組を強めたいと述べた。
続いて協会より「医師偏在対策とかかりつけ医登録制」「京都市の介護認定給付業務の委託・センター化」について報告。関連して、新たに作成した西京区の医療提供体制についてのデータを配布し、出席者の意見を求めた。
地区からは、西京区内の医師偏在状況について、区内18の学区のうち、大原野は特養の診療所が1カ所、川岡東も1カ所、桂徳は三菱病院があるが診療所は2カ所しかない。松陽は桂病院があるが診療所は在宅専門1カ所のみ。小学校区単位でみると偏在はもっと激しい。嵐山東・松尾は小児科がなく、西京区の開業医に糖尿病専門医はいない。内科で括ると多数に見えても、細かく診療科を見れば区内にない科もあり、地域的な偏在がある。幸い病院があることで何とか成り立っているが生活の場に医療機能が求められるとの意見があった。これに対し、協会は指摘のような視点、データを揃えて行政と話す必要があると応じた。
最後は西京医師会の塚本忠司副会長があいさつ。協会からの情報はありがたい。地区からも協会に必要な情報を提供できるようにしたいと述べた。
出席者15人で開催された西京医師会との懇談