宇治久世医師会と懇談 1月8日 うじ安心館ホール  PDF

医療者側からの政策提言が必要

 協会は、宇治久世医師会との懇談を1月8日に開催。地区からは22人、協会から9人が出席した。懇談会は石原由理理事の司会で進行し、伊勢村卓司会長の開会あいさつ、続いて鈴木理事長のあいさつの後、協会から①各部会からの情報提供②医師偏在対策とかかりつけ医登録制―について説明した。
 意見交換では、地区から「その地域で医師が働ける環境づくりが必要で、当然経済的問題が出てくる」「医師偏在の問題が出た時に民間業者はすでに動いている。医療コンサルの方が情報のキャッチが早く、利益につながると判断すればすぐに飛びつく。我々は異議を申し立てる間もなく引きずられていくことになる」「医師の少数区域に医師を派遣するよりも経済再生が先だとするが、経済再生がいつ成功するかはわからない」「今の時点でこうしたらいいという方策は持ち合わせていない。地区では自由開業制、自由標榜制を堅持しなければならないとする意見が多い。以前の協会との懇談会でも、協会からも絶対に堅持しなければならないという意見をもらった。今後1年で地区医師会としても何らかの方策を出していきたい」など、疑問点が多く出された。協会は「国が医師偏在対策をすると言っているが、医師数コントロール、統制のための大義名分に医師偏在と言っているだけ。偏在対策と矛盾する政策も出されたりと、本気で医師偏在を解消する気はないのではと訝しんでいる」と回答。また、「医師側が求めている医療制度をしっかりと作り上げていく必要がある。このように地区からの意見を聞いてまとめ、提言していくことが重要だ」と述べ、懇談会での意見交流が大変重要であると訴えた。
 さらに地区から「医療には地域差があり住民の医療を考えた場合、現場の医師から政府に提案し、まとまっていかないと分断される状況になる。医師会という組織は社会の中の一部の団体に過ぎないという位置づけになる。どこまで医師がやるのか、どこまでが他のコメディカル、行政に任せるところなのか整理して提言する必要がある」との意見が出され、協会は「国が一方的に言ってきているいろいろな指標、指数に対して京都府は独自に計算して方向を決めていくとしている。協会は府をサポートしつつ、地域に密着した医療情勢、社会情勢、人口動態を踏まえ、より綿密なものにしていこうと考えている。医師が多いと言われている地域でも医師少数スポットが出てくる。そこで医療の充実、医師を増やしていくなど、京都府独自の課題も出てくる。いろいろな意見を言っていくことが地域の医療の充実に繋がっていく。積極的に関わっていきたい」とした。
 最後に田村晃浩副会長があいさつし、懇談会を終了した。

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