主張 消費税に伴う事務作業 情報の収集と提供努める  PDF

 令和2年を迎えた。歳をとるほど1年が短く感じられるとよく言われるが、最近特に実感している。1月は行く、2月は逃げる、3月は去ると言われるが、今年は夏に東京オリンピック・パラリンピックが開催され、ますます1年の短さが加速しそうである。その中でも医療に関連するさまざまな施策がなされようとしており注意が必要である。
 昨年は消費税が10%に引き上げられ、それに対応するため診療報酬が改定された。控除対象外消費税については診療報酬への加算を「精緻化」することで対応するとされたが、その検証が待たれる。
 消費税率引き上げとともに軽減税率が導入され、消費税率の異なる物ごとに区分経理をする必要が生じた。領収書を発行する場合、消費税率が異なるものごとに区分された領収書の発行が必要になった。この領収書は仕入れ税額控除をするために必要なものなので、医療機関において領収書発行での問題はほとんど生じないものと考えている。
 また、2023年からは適格領収書(インボイス)を発行する必要があるとされている。適格領収書の要件はいくつかあるが、適格領収書を発行するためには適格請求書発行事業者になる必要があり、消費税免税業者は適格請求書発行事業者の届けをすることができない。
 診療所の多くは消費税免税業者であり、適格請求書発行事業者になることはできないため、適格領収書を発行するためには、消費税課税業者にならなければならないことになる。適格領収書の発行を求められるケースは多くないものと考えるが、今後も情報収集に努めてお知らせしていく所存である。
 まだ3年ほど時間の余裕はあるので、健診や予防接種など課税対象部分が多い会員も性急な対応をせず、協会か顧問税理士にご相談いただきたい。

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