通所リハの実態を調査 リハビリの必要性と制度の間に矛盾も  PDF

 京都協会と三士会は、維持期リハ算定終了後の主な受け皿である通所リハビリテーションの現状について調査を行った。以下、結果の概要を報告する。(※詳細はグリーンペーパー1月25日号参照)

●通所リハビリテーションの現状について
 ・実施主体=京都協会と三士会
 ・調査期間=19年8月28日~9月20日
 ・調査対象=19年8月1日時点で京都府・京都市の指定を受けている指定通所リハビリテーション事業所166カ所
 ・回収数=63事業所 ・回収率=38・0%

 19年4月~7月の間に疾患別リハビリから移行した利用者は1事業所あたり平均2・5人。「疾患別リハビリから移行した要介護・要支援者に、必要なリハビリを提供できる体制があるか」については、「体制あり」48%、「どちらとも言えない」43%、「体制なし」8%であり、必要な体制が取れているとした事業所は半分にとどまった。また、「算定している基本サービス費および加算は、移行した要介護・要支援者のリハビリを担う上で十分か」については、「十分だ」27%、「どちらとも言えない」52%、「不足している」21%との回答で、体制を整える上で大きな裏付けとなる報酬の水準について、十分との回答は4分の1強とさらに少なかった。
 「通所リハビリにおける改善すべき点」については81%が「ある」とし、「各種加算の算定要件」「個別リハビリの実施に対する評価」がいずれも51%、「基本サービス費の報酬水準」が43%(それぞれ複数回答)で高い割合であった(図2)。個別意見では、「利用者の能力が改善したことに対する評価(報酬)をもっとしてほしい。改善したことで介護度が下がり使えるサービスが減ることにも、制度に対する矛盾を感じる」との、リハビリを介護保険で扱うことの限界を示唆する意見や、「個別リハビリを行っても評価されないため、人員配置が不足がちになっている。短期集中加算の算定期間である3カ月だけの個別リハビリでは不十分な利用者が多い」との、利用者のリハビリの必要性に制度が対応しきれていないことを示す意見も寄せられている。

図2 通所リハビリにおける改善すべき点

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