協会は、京都北・上京東部・京都市西陣医師会との懇談会を開催。地区から10人、協会から6人が出席した。冒頭、京都市西陣医師会・水谷正太会長があいさつ。続いて鈴木理事長のあいさつ、各部会からの情報提供に続き、①医師偏在対策とかかりつけ医登録制、②京都市の介護認定給付業務の委託・センター化構想―について説明した。また、地区から出された①マイナンバーカードに保険証機能を持たせる政府方針②地区医師会の防災活動―について意見交換を行った。進行は京都北医師会・余みんてつ副会長が務めた。閉会あいさつは上京東部医師会・菅野達也会長。
マイナンバーカードについては、地区から「マイナンバーカードに保険証機能を持たせ、保険証がなくても窓口対応ができる方向で、検討がなされている。マイナンバーカードがそれほど普及していない現状で、本当にそんなことができるのか。情報を読み取るためのリーダーなどのインフラの問題、個人情報漏洩リスクの問題などがあるのではないか」との意見が出された。協会は、「マイナンバーカードのICチップに保険証ナンバーをいれることなどはすでに法制化された。あとは具体化だが、現在のマイナンバーカードの普及率は14%ほど。背景には情報漏洩の危惧があるからだろう。便利な面があるものの、病歴などのデータはあくまで医療・介護の範囲でのみ利用すべきだ。個人の情報が守られるような利活用となるよう強く訴える必要がある」とした。また地区から「現場の我々医師が目を通す機会を設けてもらう必要があるのではないか」などの意見も出された。
地区医師会の防災活動では、地区からどう備えるかと質問が出された。協会からは理事の所属する地区医師会を例に挙げ「一部の医療機関が診療できない状態になった場合、周りの医療機関で連携をとり支援する、そのための連絡網をつくる、災害時のセンターをどこに置く、などの議論を行っている」と回答した。
医師偏在対策では、地区から「国が示す偏在対策では、現場で働いている医師の意見が全く反映されないことが問題。結局、国が地方を見捨てているから医師に限らず偏在問題が起こっている。まずは地域の再生が必要だ」と意見が出された。協会は、「国が率先して偏在対策をしようと考えているとは到底思えない。現場の声を届けられるよう、働きかけを強化していきたい」と述べた。
京都市の介護認定給付業務の民間委託問題については、地区から「認定審査委員だが、この件についてまったく知らなかった」「医師にはそういった話は一切なく、京都市はぎりぎりになって施策の変更などを押し付けるという印象だ」など、不満が続出。協会は「京都市はいったん決定してしまったら、どんな意見を出そうがその方針を撤回しない。この民間委託で財政の効率化を図っているわけでもない」と述べ、「区役所の職員でも、どんどん住民から離されて何のための区役所かと言っている人がいる。そういった声も拾いつつ、ぎりぎりまで我々の意見を訴えていきたい」とした。
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