謹んで新年のご祝詞を申し上げます。会員の皆様には、お健やかに新春をお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。昨年は地震、台風、火災など多くの災害があり、被災により亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族や被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。西暦2020年(令和2年)の節目になる年を迎え、本年が皆様にとって、素晴らしい一年になりますことを心よりご祈念申し上げます。
2009年2月に豊かな自然と閑静な環境に恵まれた亀岡市に開院し、昨年2月をもって10年目を迎えることができました。これもひとえに地域の皆様と連携医療機関や京都保険医協会事務局の方々の温かいご指導とご厚誼の賜物と深く感謝しております。
これまでの10年を振り返り、これから先の10年を考えますと、医療を取り巻く環境はさらに大きく変わり、少子高齢化は急速に進展し、2025年には戦後の第一次ベビーブーム(1947年~1949年)にお生まれの約800万人にのぼる団塊の世代の方が全員75歳以上になり、現在の後期高齢者1500万人と合わせると2200万人を超え、日本は5人に一人が75歳以上、3人に一人が65歳以上という、かつて経験したことのない超高齢化社会を迎えることが予測されています。
亀岡市では2014年に24・9%(全国平均26・0%、京都府26・9%)であった高齢化率が2018年には28・7%(全国平均28・1%、京都府28・9%)と全国平均を上回り、このため疾病を長期に有しながら生活する人が増加し、2014年に要支援者数1220人、要介護者数2570人であった介護サービス利用者数も2019年3月時点には要支援者数1343人、要介護者数2738人に増加し、医療においても病気を治すことに主眼を置く「治す医療」から、病を抱えながら生活する人とご家族の生活支援に主眼を置く「支えながら治す医療」に進展させていく必要があると考えております。医療技術が進歩し、医療提供の場も多様化する中で、国民の医療に対する意識は安心、安全を重視するとともに質の向上をより重視するといった方向へ大きく転換し、個人のQOLを重視するといった認識が浸透してきております。今後、地域社会のニーズに寄り添う介護や医療が求められ、家庭医の職責はますます重要になりますが、これからも心技を尽くして地域医療に精励する所存でございます。
今年は亀岡市にスタジアムが完成し、大河ドラマ「麒麟がくる」の放送開始にあたり、スタジアムには大河ドラマ館も併設され、東京オリンピック開催時にはスタジアムにて聖火ランナーが聖火を聖火皿に灯すセレモニーが行われることも予定されており、これらのイベントが亀岡市の地域活性化に繋がることを期待しております。皆様におかれましても、お近くにお越しの際はお立ちよりいただければ幸いに存じます。
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