医界寸評
巨費を投じてオリンピックのための新国立競技場を建設する計画は、有識者会議なるものを開いて、都知事の発言をも抑え込み、だれも異論を論ぜず、常の公共事業のごとく、責任もあいまいのまま、粛々と進めることになった。しかし、幸か不幸か、いわゆる“戦争法案”で世論の支持を急速に落としている首相が、焦りもあるのか、巨費への世論の反発に耳を傾け、計画の白紙撤回と言う決断(?)をした▼これだけ世間を騒がせたのにだれの責任ということもなく、文部科学省の定期的な人事異動をしただけで、次の新たな建設計画に向かって突き進み始めている。また、他の競技場の予定整備費用も高騰し、総額二兆円という話もとびだして、どうなることかわからない▼川内原発では、世論はそっちのけで、粛々と再稼働への準備が進んでいる。プレートの境にあり常にそこでの巨大地震発生にさらされ、火山列島である日本のあちこちで火山活動が活発になっているのにである。西ノ島のように、人の住むところから遠く離れて、領土領海を拡大してくれているのならいいとしても、活発な口永良部島や桜島・諏訪之瀬島などは川内原発に影響しないのだろうか。だれも責任を取ることなくすすむのであろうか。年金情報の漏出もだれも責任を取っていないように思われる。今は無責任時代なのであろうか。(門雀庵)