協会は5月14日、京都府調理師会と初の懇談会を開催。入院時食事療養費「標準負担額」引き上げ等について意見交換を行った。

　懇談では協会が、残念ながら成立した「医療保険制度改革関連法案」の概要、問題点を紹介した。また会員病院院長ならびに栄養課責任者を対象に実施した「入院時食事療養『標準負担額』引き上げ方針に関する意見調査」について、負担引き上げにもちろん反対であること、調理技術が治療に活かせるといった結果を説明。また引き上げにより、患者が病院食を断り食べなかったり、負担額よりも安価な食品を持ち込んだりすることで、栄養管理ができなくなるといった危惧が示されていること等を紹介した。また調査結果から、安倍首相らに「入院時食事療養『標準負担額』引き上げの撤回と入院時食事療養費の引き上げを求める緊急要請」を行ったこと、京都選出国会議員に対しては、それに協力を求める要請を提出したことを紹介した。

　これに対し調理師会は、調理技術が治療に活かせるとの意見が多く示された調査結果は正直嬉しい。調理には手順がありそれを守ることで食中毒も防ぐことができる、と調理技術の重要性を強調した。また一般の飲食店であればとにかくおいしいものを作ればよい。しかし病院の食事は患者によって様々な制限があり、作るのは大変だろう。今回の標準負担額の引き上げは高すぎる。患者は460円あれば病院食ではなく、どこででも食べられると考えてしまうのではないか。技術を評価したものではなく、患者負担が増やされるだけの内容であり、引き上げには反対、との考えが示された。

　また両会は今後も情報交換や連携を行っていくことを確認した。