門林岩雄氏(相楽)が『生きる』を上梓
あらゆる視点から詩・短歌を考える
『生きる』(株式会社竹林館)門林岩雄著 定価 2000円+税
一生懸命に拝読し、読了しました。門林岩雄氏(相楽)の集大成と思われる書籍で全く見事なものと思い、強い尊敬の思いを持ちました。氏は学者であり、この著書で記載されている現代詩論は、緻密かつ論理的に構成されています。最初から最後まで叙述に一片の間違いもありません。正論正確でした。脚韻を経ての自在四行詩論に至るまで寸分の誤りもなく、医学的な立場に立脚して詠まれた詩があることも嬉しく感じました。
私と門林氏は長年、詩論・文学論で繰り返し議論してきており、それらを懐かしく思い出すとともに、今まで私が偉そうに持論めいたことを論じていたことを恥ずかしく思っている次第です。
男女の会話で紡ぐ物語詩「生きる」、短詩と続き、詩論の考察、エッセイと、氏いわく「ごった煮」の書籍と表現しておられます。
現代詩論に興味を持っておられる方はもちろん、これまであまり関心がなかった方にも、ぜひこの機会に手にとっていただきたい一冊です。
(北丹・谷口 謙)