京都2014高齢者大学 健康講座 がん検診の大切さ学ぶ
今期最終講座は山本理事が担当
京都高齢者大学健康講座の最終回、第9講は3月5日、協会理事の山本博氏が「がんとはなにか?」をテーマに講演し、がんの発見の歴史に始まり、現在、日本人の死因で第一を占めるようになった経緯、がんはなぜ発生するのか、各種がんの症状と病因、検査方法と予防検診の意義などを、明快に解説した。
山本氏は、すべての悪性腫瘍(がん)は細胞のDNAの特定部位に、細胞分化の過程で幾重もの突然変異が積み重なって発生するがその発生メカニズムは多様ですべてが解明されているわけではない。ただし悪性になるまでは通常数年から数十年はかかる、その過程で検診を行って発見し、早期に適切に処置すれば治癒する見込みが大きい。がんには「予防に勝る治療はない」と、検診の積極的な活用を強く勧めた。
まず、肺がんは日本人の死因でトップを占めている。初期は症状が出ないので、発見は検診しかない。肺がんの主な原因は喫煙だが、喫煙開始後ほぼ20年で発症する。引き金はニコチンだが、製造過程でわざわざ添加しているアンモニアには、習慣性を誘発する懸念があると指摘。
検査にはCTが有効だが、日本には対10万人の保有台数は世界一の実績がある、さらに、国民皆保険で、がんなど各種疾患の発見の機会にも恵まれている、と解説した。
胃がん・大腸がん・乳がんなどの発生率や成因にも言及し、どのがんにおいても「早期の発見・治療」が鉄則だとした。
参加者からは、現在、乳がん検診の件数が極めて低いが、検査担当者に女性が少ないことも一因ではないかと指摘し、将来女性職員の養成が必要であるとの強い意見が出された。