医療保険制度改革骨子について 代議員会参加者にアンケート
政府が1月13日に決定した医療保険制度改革骨子(以下、骨子)のうち四つの課題について、代議員会(1月29日)出席者による評価をきいた。対象は82人で回収数は79(回答率96%)。
5割が国保への財政支援を評価
骨子は国民健康保険の制度安定化のために財政支援を2015年度から順次実施し、財政基盤強化の環境が整った上で、18年度に国保の財政運営を市町村から都道府県に移行させる方針を示した。
国保は、無職や非正規雇用が約8割を占めるため、加入者の負担は他の医療保険より重く、納付率も9割を下回る。そのため低所得者対策、自治体の責めによらない要因による医療費増・負担への対応が迫られる。公費拡充による財政支援方針が示されたことについて、「評価する」が52%と、「評価しない」の17%を大きく上回った。「どちらでもない」15%、「わからない」17%も一定数見られた。(図1)
67%が医療費適正化「目標」を評価しない
一方で、国保の都道府県化は、財政運営と提供体制に責任を負うことで都道府県が医療費適正化の主体とならざるを得なくなってゆく側面もある。骨子でも、医療費適正化計画の見直しについて、都道府県が地域医療構想と整合的な医療費の水準を「目標」として設定する方針が示されている。
これについては、都道府県が反発。推計値に過ぎないようなものを「目標」として設定しても「結果責任を負えない」、一度「目標」を設定すれば、それが独り歩きして「都道府県を拘束する懸念」があるとして、義務化しないよう求めている。このような医療費適正化のための目標を設定する方針について、「評価しない」が67%、「評価する」は5%だった。(図2)
紹介状なし大病院受診の定額負担評価は37%
外来の機能分化を進める観点から、16年度から紹介状なしで特定機能病院および500床以上の病院を受診する場合等には、原則として、定額負担を患者に求めることとするとしている(選定療養の義務化)。
財務省は、これを将来的な窓口定額負担導入の突破口に考えているようであるが、これについては「評価する」37%が「評価しない」30%を若干上回った。(図3)
入院時食事療養費の見直しも評価二分
入院時の食事代について、食材費相当額に加え、調理費相当額の負担を求めるとした。これについては「評価する」37%と「評価しない」38%が均衡した。(図4)