京都アスベスト訴訟に対する署名と支援を
2014年10月に泉南アスベスト国賠訴訟で原告勝訴の最高裁判決が確定した。アスベスト被害では初めて国の規制権限不行使の責任を認めた画期的な内容である。
1958年にはアスベスト被害の発生を国は認識できたにもかかわらず、局所排気装置の設置を義務付けるなどの規制が行われたのは72年のことであったとして、その間の規制不行使の責任を認定した。
今回の最高裁判決は、わが国で初めてアスベスト被害に対する国の責任を認めた判決であり、2006年の第一陣の訴訟以来多くの困難の中で勝ち取られた貴重な成果であるといえる。
すでに18人の原告が死亡し、多くの原告が、生存していても寝たきりであったり、在宅酸素療法など、困難な状況に置かれている。「いのちある内に解決を」というのは原告の切実な願いとなっている。アスベストの被害は広範に及んでいることがわかっている。看護師が手術用手袋のタルクに含まれていたアスベストで中皮腫を発生したケースもある。公共建造物、震災後のがれき処理、研究資材からの暴露など、実態が明らかになっているとは言い難い。
今年は、最大の被害職種と言われる建設アスベスト被害者の訴訟が京都や大阪で結審・判決を迎える予定である。改めて署名への協力をお願いしたい。
(理事・吉中丈志)
※同封の署名用紙は京都地裁向けと大阪地裁向けの2種類あります。両方にご署名いただき返信用封筒(全京都建築労働組合宛)でご返送いただければ幸いです。