伏見医師会と懇談  PDF

伏見医師会と懇談

 
10月30日 伏見医師会館
 
新専門医制度に開業医の声を
 
 伏見医師会との懇談会を10月30日に開催。地区から10人、協会から7人が出席した。伏見医師会副会長の辻幸子氏の司会で進行し、会長の松本恒司氏はあいさつで「『京都保険医新聞』は医療制度の問題等を非常にコンパクトに分かりやすく解説しており、いつも勉強させてもらっている。また協会には、共済制度や医事紛争の対応等、多岐にわたる活動をしていただき、我々会員は随分お世話になっている。この場を借りてお礼申し上げたい」と述べた。
 新専門医制度と総合診療専門医について、地区より、医学部卒業後数年で開業を考える医師はそう多くない。最初から「家庭医」を育てる制度は成り立つのか。総合診療専門医は専門医であってはならず、逆に早く専門医に送る勇気を持つ医師が向いていると考えるが、この点は考慮されているのか。地域医療を守ってきた我々開業医が要件をクリアするのは大変厳しく、とてもひどい内容である。現場の声を上げていかなければならない等の意見が出された。
 これに対して協会は、家庭医療学の講座を設け、診療所で研修する等しっかり教育している大学もあり、制度としては成り立つだろう。総合診療専門医のサブスペシャリティとして、開業医で診療所中心の「家庭医療教育専門医」と、中小病院中心の「総合(診療)内科専門医」の二つが想定されているが、いままで地域医療を担ってきた医師との間に谷間があり、接合していないのが大きな問題。開業医には、大学で専門性を学んで開業し、専門分野を突き進むことで医療における洞察力が深まることを理解できる人たちが多い。総合診療専門医を目指す人たちにはそうしたことを学ぶ機会が少なく、もう少し交わっていく必要がある。実際に地域医療を担うには時間がかかり、かけるだけの価値があるのではないかと答えた。
 さらに協会は、総合診療専門医は地域包括ケアの中心を担うことになる。2017年以降には現在の学会の専門医制度はなくなり、新しい専門医制度ができてしまう。地域の医師の意見はほとんど反映されておらず、移行措置やかかりつけ医と総合診療専門医を融合させるような方策等もっと意見を出すべき。また専門医資格の有無で、診療報酬に差をつけない運動も必要と述べた。
 医療・介護提供体制と医療保険制度の一体的改革について、地区からは、開業医が非営利ホールディングカンパニーによって従来の医療提供ができなくなる危惧や、医療と介護の一体化自体を問題視する声が寄せられた。
 その他、社会保障制度を守る協会の活動や、公費負担医療についても多岐にわたる意見が出された。

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