困ったときの強い味方、保険医協会  PDF

困ったときの強い味方、保険医協会

 
腎・泌尿器科おおねクリニック 大嶺卓司(宇治久世)
 
 昨年の1月に開業し、年末には丸2年となりますが、先輩諸先生方がいわれるように本当にあっという間でした。
 開業までは、泌尿器科の専門医として病院勤務を約24年続けておりましたので、専門の領域に関しては、手術や入院に関わることでレセプト点検を毎月行ってはいましたが、細かい点や外来に関しては、ほとんど事務の方にお任せの状態で、開業してはじめて処理すべき事務作業が山のようにあることを経験しました。
 開業前は、これまでの専門を生かした疾患群を対象に、その診療に必要な医療器械や物品など(院内処方を行っていますので)、必要な薬剤の準備などを中心にクリニックの建設費用、内装費用、医療機器、薬剤の購入などの費用など設備と資金のことが、頭を悩ます中心となり、それに加えて、スタッフの教育や、月々の給与のことなど慣れないことで手一杯でした。
 開業後は、最初から電子カルテを導入しておりましたので、とりあえずの点数計算は勝手にやってくれることになります。受付での支払いなどは形だけは何とかなりますが、いざ請求の時期となる月初には、取れるべき点数の請求漏れ、算定方法の不案内、特定疾患に関すること、迅速検査の点数などや、電子カルテの自動入力の不備な点など、ありとあらゆることが、手探り状態でしたので、最後にはとりあえず病名だけしっかりいれて、あとはレセプトで削られてから考えようと、審査の方が今読まれていたら、しかられるようなことをしておりました。
 そのためか、4、5月ごろに前立腺がんの病名もちゃんと入っていて、使用した薬剤も前立腺がんの治療薬を使用していたにもかかわらず、かなりの数の減点が連続しました。そこで困り果てて、京都府保険医協会の方に相談させていただきました。レセプトや、カルテのコピーなどのやりとりを行い、審査の方にも聞いていただくことができ、最終的には当院に落度がないことがわかり、再審査請求することとなりました。どうしてもお上相手だと恐縮して、泣き寝入りをしてしまいがちなのですが、仲介をしていただき、再審査請求すべきかどうかやもっと単純な疑問点などを電話一本で気軽に相談できる保険医協会はありがたい存在です。今から思いますと、最初の頃に何度かレセプトを点検していただいておれば、もっと楽だったと思います。困ったときに相談できる保険医協会、これからもよろしくお願いいたします。

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