今こそ開業医医療の真価を訴えるとき
第67回定期総会で方針等確認
協会は7月27日、第67回定期総会(第187回定時代議員会合併)を市内のホテルで開催した。総会は、105人(代議員68人、一般会員13人、理事者24人)が出席し、2013年度活動報告および2014年度活動方針、協会入居ビル名に関わる規約改正、決議案を採択した。
13年度協会活動を総括
13年度の活動を鈴木由一副理事長が総括。協会は、社会保障・税一体改革やTPPに対する取り組みで、政府の報告書等に対して談話や要望書を関係各所に提出するなど、協会の見解をいち早く表明。医療産業化問題や特定秘密保護法、集団的自衛権の問題にも取り組んだことを報告した。
また、京都市身体障害者リハビリテーションセンター附属病院廃止問題をめぐっては、京都市と懇談を行い、会員から集めた署名を提出するとともに、廃止撤回と京都市の公的リハ機能拡充を求めた。
診療報酬関連では、2014年度診療報酬改定における不合理点数について、中医協をはじめ関係各所に要望書等を送付し、早急に改善を求める運動を進めた。また、「点数表改定のポイント」をはじめ、保険点数に関する書籍も従来どおり発行。書籍をテキストにした点数改定説明会や在宅医療点数、公費負担医療に関する説明会を開催するなど、会員の要望に寄り添った1年間の活動を振り返った。
大転換する医療制度に立ち向かうために
続いて、渡邉副理事長から情勢報告が行われた。今、安倍政権は、成長戦略の名のもと、改憲と新自由主義改革を着実に推し進めている。これは、日本の構造改革を新たな段階へ引き上げ、国の形を変え、従来からの制度の枠組みを解体し、組みかえるものだ。その中で社会保障分野でも医療制度の大転換を図ろうとしていると指摘した。
医療産業化と医療提供体制改革を二正面で推進し、一方で地域包括ケアシステムに医療・介護関係者を動員しながら、給付抑制と産業化推進を両立させる国の狙いを見抜き、対峙する必要があること。そして、こうした中で取り沙汰される専門医の在り方見直し・総合診療専門医構想に対しても、開業医医療が重症化を防ぎ、健康を守るという役割を果たしてきたと強調。先達が築き上げてきた開業医医療のあり方が国民皆保険制度を守り、育ててきたことを再認識し、真の値打ちを明らかにして国に突きつけていくこと、患者・国民との共同を強めることが重要だとした。
これを受け、垣田理事長が14年度基本方針を提案。医療制度大転換のもと、起こり得るさまざまな事態を医療者の立場に立って分析し、会員一人ひとりが、患者・国民とともに語り、参加できる運動を構築することを主眼とすること。同時に、第一線で医療を担っている会員への的確な情報提供、困り事解決に向けたサポート活動を一層強めていきたいとした。
総会後は、京都産業大学総合生命科学部教授で京都大学名誉教授、そして歌人でもある永田和宏氏による講演会「言葉の力」、懇親会が開かれた。