医界寸評
柄にもなく地区医師会の会長をしたのである。「リーダーの手腕とは一丸となれることだ」という野村克也氏の教えを胸に会長職に就いてきた。人によって「考え方の物差し」に相違があること、また決断力は必要だが「トップダウン」ではなく「和を以て貴しと為す」が如何に重要か、等々再確認できた貴重な2年間であった。限られた会員だけではなく多くの会員の事業への参加を期待したい。一丸とは難しいものである▼「柄」といえば故高田渡の「生活の柄」を思い出す。故山之口獏氏の詩(放浪生活時代に作った)にメロディーをつけたものである。高田渡にしか歌えない。「集団的自衛権」の行使容認が閣議決定された。僕は思い出すのである高校時代を。「自衛隊に入ろう」の歌詞(マルビナ・レイノルズの曲に高田が勝手な詞を付けた)のようにならないことを祈る▼「ガラッ」と変わるが、7月は学校保健委員会の季節である。複数の小学校を受け持っている。委員会では健診結果や年間計画(保健、給食や安全指導など)について報告・協議される。その中に「性教育」も含まれている。男女の体の違い、体と心の成長、生命の誕生など指導されるようである。核家族になり「死が非日常」になった今、「誕生」だけではなく「死」についても指導要綱に入れても良いと思うのだが…。(玲奈)