算定要件の改善求める 在宅自己注射指導管理料で
2014年度診療報酬改定で、C101在宅自己注射指導管理料の「2」について、月当たりの自己注射の回数により、点数が細分化。さらには、一番評価されている月28回以上の場合も10点引き下げられた。そもそも患者の指導・管理は自己注射の回数にかかわらず必要であり、区分を設定する道理がない。医療費削減が主眼の根拠のない改定と言わざるを得ない。このことを受け、協会は7月8日付で森田中央社会保険医療協議会会長、田村厚生労働相をはじめ、京都選出国会議員など関係各所に要請書を送付した。
在宅自己注射指導管理料の算定要件の改善を求める要請書
2014年4月の診療報酬改定で、C101在宅自己注射指導管理料の「2」について、月当たりの自己注射の回数により点数が細分化した上に、一番評価されている月28回以上の場合も10点引き下げられました。
イ 月3回以下の場合 100点
ロ 月4回以上の場合 190点
ハ 月8回以上の場合 290点
ニ 月28回以上の場合 810点
患者に対する指導、効果判定、副作用等に関する管理は、患者の自己注射の回数にかかわらず必要です。このような医療費削減ありきの根拠なき改定は、在宅医療の充実を損ね、入院医療費の増加など、却って医療費の無駄遣いを生じさせる制度改悪です。即時に、「2」の点数を2014年3月31日以前に戻すべきですが、当面、イ〜ハについて無条件で毎月導入初期加算を算定できるようにして、悪影響を最小限に止めるべきです。
また、内科で糖尿病の在宅自己注射指導管理を、整形外科で関節リウマチの在宅自己注射指導管理を受けた場合、現在では一医療機関でしか算定できません。しかし、対象疾病毎に、複数の専門医療機関において在宅自己注射指導管理料を算定できるように改善して、複数の対象疾患を有する患者の在宅での療養を支える制度とすべきです。
さらに、在宅自己注射指導管理料の算定要件に「在宅自己注射の導入前に、入院又は週2回以上の外来、往診若しくは訪問診療により、医師による十分な教育期間をとり、十分な指導を行った場合に限り算定する」という要件が追加されました。
しかし、臨床の現場では、例えば初回来院時にかなりの高血糖を来し、全身状態が悪い患者も存在します。このような事例は、まずインスリンを導入した後に、外来受診させ、教育・指導を行うしかありません。
以上の理由から、記以下の改善を要請しますので、早急に対応して下さい。
記
1、在宅自己注射指導管理料の「2」に関する2014年4月度改定を撤回し、元に戻すこと。対応不可能な場合、次回改定まで、イ〜ハについて毎月導入初期加算を算定できるようにすること。
2、対象疾病毎に、複数の専門医療機関において在宅自己注射指導管理料を算定できるように改善すること。
3、在宅自己注射指導管理料の算定要件として追加された「在宅自己注射の導入前に、入院又は週2回以上の外来、往診若しくは訪問診療により、医師による十分な教育期間をとり、十分な指導を行った場合に限り算定する」という通知を撤回し、担当医の判断に任せるようにすること。
2014年7月8日
京都府保険医協会
理事長 垣田さち子