医界寸評
安倍総理は、集団的自衛権行使に向かって一直線に突き進んでいる。日米同盟を強調し、戦後使わなかった兵器を他国の人に向かって使いたがっているとしか思えない。何でも持っていると振り回したくなるものである。だから、憲法では保持しないと言っているのだが、憲法解釈を変えながら現在に至っている。しかし、それでも集団的自衛権は行使できないとして、米国がイラクに大量破壊兵器があると攻撃したときも英国のように加わることなく過ごしてきた▼集団的自衛権となると、同じ価値観が必要なはずである。銃社会の米国では、身を守るためと称して銃砲を所持することが許されている。銃は、楯や鎧兜のように一義的に身を守るものではない。殺傷を目的としたものである。それで身を守るというのは、主観的に危ないと思ったら、人を殺してもよいという前提があるからであろう。だから、大量破壊兵器があろうがなかろうが、主観的に危ないと思ったら攻撃してよいのである。そういう考え方に日本人はついていけるだろうか?▼世界のグローバル化という流れにしろ、TPPにしろ、米国の価値観を押し付けているとしか思えない。それに乗ってよいのだろうか。そうなってしまったら、大震災の後、大変な状況でも秩序を持って行動していた日本人はどうなっていくのであろう。(門雀庵)