税務調査・確定申告の状況で協会協力税理士と懇談開く
協会は、4月2日に協会事業に協力を得ている5人の税理士と懇談し、(1)13年分確定申告の状況(2)13年度税務調査の動向(3)消費税増税に対する顧問先の反応および対応(4)最近の雇用問題にかかるトラブルの動向 を中心に意見交換した。最後に協会の共済制度への理解および会員からの相談時における態勢やセミナー等事業について一層の協力をお願いした。
13年分確定申告の状況
自費診療の増加は収まった。措置法26条適用の場合で、自由診療が多い科目についてはワクチン購入代を明確に区分経理しておくと節税につながることがある。ただし、日々の取引ごとに区分経理が必要。
13年分の上場株式の譲渡益から、昨年までの繰り越し損失を控除する申告が多かった。ただし、マイナスが減少したため「合計所得金額」が変わり、配偶者控除や扶養控除・住宅ローン控除、翌年度の健康保険料等への影響が出ることに留意する必要がある。
収入減少には歯止めがかかった。社保と国保の比率が変わり社保減少、国保増加で源泉が減るため収入が変わらなくても3期の納税額が増える。
13年度の税務調査の動向
通則法改正の影響から調査件数は減少している。点数×10円と保険収入金額との差が大きい場合は徹底的に追及される。一部負担金を免除したのか、レセプトの請求ミスか、横領かなどと追及される。税務署員は保険収入と「点数×10円」とのかい離を換算するシートを持っている。
通則法改正で税務署員は法令遵守し、対応が紳士的になっている。近畿税理士会のチェックシートで11項目をチェックしたが、調査の目的は申告が適正かどうかという理由にとどまる。違法調査はなかった。調査理由を聞けるようになり、通則法の改正は良かった。あとは納税者権利憲章の制定が課題として残る。
消費税増税に対する顧問先の反応および対応
3月中に自由診療の費用の決定ができずに悩んでいる医師が多かった。医療機器を駆け込み購入された顧問先があった。薬品は薬価の下がりにくい新薬のみ3月までにまとめ買いされたケースが多かった。後発品や長期収載品は薬価の下落を見越してなるべく4月以降の購入にするケースもあった。診療報酬改定による消費税の上乗せで損税が解消するのかどうか懐疑的な意見が圧倒的に多かった。
最近の雇用問題にかかるトラブルの動向
看護師等有資格者の確保困難でトラブルが増加している。人材紹介会社とトラブルになるケースがある。仕事はできるが、新人を辞めさせてしまう既存職員の対応に苦慮する相談が増加している。精神疾患で通院中の人を採用したためその後の対応に困るケースも増加。パートタイム労働者の有給休暇、労働条件通知書の交付、時間外労働のカウント方法や計算方法について説明を求められたりする等、従業員の権利主張がしっかりしてきていることへの対応で相談を受ける。あいまいな労働条件でトラブルがおきるとユニオンに加盟して労働争議になる。残業手当を見なしで出していたら、労働基準監督署から是正命令を受けた事例があった。