与謝・北丹医師会と懇談
3月8日 ホテル北野屋ハーモニーホール
2025に向け着々と進む提供体制改革を危惧
協会は3月8日、与謝医師会、北丹医師会との懇談会を開催した。地区から9人、協会から5人が出席した。懇談会は与謝医師会の西原寛常務理事の司会で進行し、与謝医師会の中川長雄会長と協会の垣田理事長のあいさつの後、協会から最新の情報提供を行い、意見交換した。
まず、医療版事故調問題について、協会の医師賠償責任保険との関係が問われた。これに対して、協会が第三者機関になれるかどうかであるが、厚生労働省令の定めがはっきりしておらず、今の時点では法案が成立していないので、どこの団体も申請をしていないのが現状であると回答した。
また、昨年度実施の地区懇談会アンケート「窓口での未収金の実態」結果について、患者から生活困窮で支払いが困難だと言われると、検査などを躊躇してしまうケースもあるとの意見が出された。
協会からは、健康保険問題で医師が苦労しても根本的な解決にはならず、窓口負担を取らないことは違法行為になり、診療を拒否すれば応召義務違反にあたる。患者には早く行政に相談するようにアドバイスすることを勧めた。
他にも未収金の回収はどのようにしているのかとの意見も寄せられ、自院の取り組み状況について意見交換したが、医院側の苦労が窺えた。
さらに、地区から国および厚生労働省の「2025年地域医療ビジョン」は、一体どのようにしようとしているのか具体的に教えてほしいとの質問が出された。中学校区を目標にして医療機関や訪問看護の目標値を具体的に挙げ、校区内ですべてを完結させようとしている。今回の診療報酬改定で初めて主治医機能を評価したとされる地域包括診療料が新設されたことでも、この計画が着々と2025年に向けて進んでいることがわかり、危惧している。医療には金がかかるので、できるだけ介護に回し、看取りまで行いたいということだ。お手軽に何でもありというやり方には、協会はしっかりと異議を唱えたいと述べた。
参加者からは、診療報酬改定後の取り組みとして、今回、初診・再診料が上るが、4年前に再診料が下がった時の患者・診療所の動向はどうだったのか。また、今次改定でどうなったかなど是非検証していただきたいとの要望が寄せられた。
その他、規約に協会顧問の役割を明示すべきではないか、訪問看護ステーションにおけるナースの採血・注射のあり方、妊婦へのインフルエンザ接種の是非など、多岐にわたる意見交換を行った。
最後に北丹医師会の齊藤治人会長の閉会あいさつが行われ、会場を移して懇親を深めた。