西京医師会と懇談
2月14日 京都エミナース
総合診療専門医と緩やかなゲートキーパーとは
協会は西京医師会との懇談会を2月14日に開催。地区から8人、協会から4人が出席した。西京医師会の岩瀬知行副会長の司会で進行。冒頭、西京医師会の中路裕会長は4月からの診療報酬改定は政治の力で決着がついたと感じる。今後の推移を協会の情報提供も受け、注視したいとあいさつされた。続いて垣田理事長のあいさつ、各部会から情報提供を行った。
意見交換では地区から、日本の国民皆保険制度は素晴らしいものだが、財政にも限界がある。国民も受診の意識を改めてもらう必要がある。国が総合診療専門医を念頭に行っている「緩やかなゲートキーパー」の意味は何か、と質問があった。協会は、総合診療専門医は内科のみならず、眼科・耳鼻科等も含め、広く浅く診る医師を想定している。今次診療報酬改定で新設の地域包括診療料の算定要件では、患者の受診する全科の投薬内容把握が求められる。国は「他院へ行かずとも当院で投薬する」の対応を求めているのではないかとした。その上で、総合診療専門医を活用した受診抑制が相当規模で展開される可能性を指摘した。
また、今次診療報酬改定をめぐる7対1看護基準の病床の要件厳格化や、地域包括診療料の背景にある人頭払い制度導入についても意見交換した。
医療法改正案における医療事故調査・支援センター設置については、第三者機関へ報告をしない場合の罰則規定の有無や、院内調査が個人診療所で可能かとの質問が地区から出された。協会は、報告しなかった場合の明確な罰則規定は現状では見当たらないが、異状死との関係で警察が関与する可能性を指摘した。院内調査については、厚労大臣が定める「支援団体」に必要な支援を求めることになるのではないかと述べた。
その他、再審査請求や前期高齢者の自己負担2割化問題等、多岐にわたる議論が繰り広げられた。最後に岩瀬副会長から「自由闊達な発言が多く、今後も形式にこだわらない情報交換をお願いしたい」と閉会あいさつをいただき、懇談は終了した。