第186回定時代議員会開く
今こそ開業医の正当評価を
京都府保険医協会は1月30日、第186回定時代議員会を開き、2013年度上半期活動報告および下半期重点方針、決議案を採択した。代議員58人、理事者23人の出席で、岡田議長と茨木副議長が進行した。
上半期重点活動を総括
鈴木由一副理事長から13年度上半期の活動を総括。構造改革路線へ抗する取り組みを継続しつつ、国・自治体の医療・社会保障拡充を目指して運動を進めたことを報告。具体的には、政府の社会保障制度改革国民会議が出した報告書に対して抗議談話を発表し、政府等に提出した。また、社会保障制度改革推進法で附則として盛り込まれた生活保護法の見直しに対しても緊急要望書を政府に提出した。
TPPへの取り組みでは、TPP参加反対京都府民集会2013を開催し、府民に対してTPP参加に関する問題点などを指摘。TPP参加反対京都ネットワークの活動に賛同を寄せる南山城村をはじめとする相楽東部3町村を訪問し、活動協力を求めた。
診療報酬改定対策では、医療機関の実態を把握するため、「入院中の他医療機関受診」「管理栄養士配置」「リハビリテーション点数」に関するアンケートを実施。調査結果をもとに、厚労大臣等へ要望書を提出し、不合理部分の改善を求めた。
生活保護医療対策では、11年度末より「実態調査」という名の新たな「個別指導」を京都市が行っているとの情報をつかみ、市に対して医療扶助指定医療機関に対する個別指導・立入検査の運営に関する改善申し入れを行った。
その他、共済制度の充実や14年度税制改正に対する要望提出、消費税増税中止と医療へのゼロ税率適用を求める要望をはじめ、経営対策として各種セミナーを開催したことを報告。「医療安全担当者スクール」を新たに設置したことや文化ハイキングをはじめとした文化活動を報告した。
抑制主眼の提供体制改革打破を
続いて、渡邉副理事長が情勢を報告。数の力で強引に新自由主義、軍事大国化路線を押し進めている安倍政権の危険性を指摘。生存権を保障する国の責務を最小限に後退させ、社会保障の理念そのものを歪める推進法の廃止を強く求めていかなければならないと訴えた。
また、専門医のあり方見直しの一環として構想される総合診療専門医制度が、国民会議で打ち出された「緩やかなゲートキーパー機能」を備えたかかりつけ医とリンクされようとしていることにも言及。このことは、「自由開業制」「フリーアクセス」の否定につながりかねず、優れた総合診療能力と高度な専門性を兼ね備えて、地域医療を支えてきた開業医の役割を正当に評価してこなかった表れであり、抑制ありきでない地域の医療提供体制構築に向けて、今こそ開業医の正当な評価を求めていきたいと報告した。
重点活動方針を確認
情勢報告を受けて、垣田理事長が活動方針を提案。(1)国民皆保険制度を守り発展させるため、開業医の正当な評価を求める(2)社会保障制度充実を求め、社会保障基本法の制定を目指す(3)TPP参加・医療の産業化阻止(4)脱原発への転換実現をはじめ、戦争をしない平和な日本の追求(5)地域医療を取り巻く課題や府・市の医療政策参画に取り組む(6)主張を同じくする諸分野との連携(7)保険医の生活支援強化−などを重点課題として挙げた。
特に医の倫理問題については、15年に京都で開催される日本医学会総会を契機に、医の倫理の正しいあり方が議論されるよう、総会に向けての実行委員会を結成したことを報告した。
提案はすべて賛成多数で採択され、質疑応答では代議員から特定秘密保護法の問題についての意見・要望が寄せられた。