医界寸評
「人は見かけによらず」という諺を、久しぶりに思い知らされたのは私だけではないだろう。街のどこでも見かけるようなお洒落な若い女性「小保方晴子さん」。驚いた。彼女の凄さは今さら言うまでもないが、小保方さんを認めた先生はまさに名伯楽。もはや白い巨塔はカラフルな可愛いお城に変わった。その中リケジョ(理系女子)のお姫さんが闊歩、そしてついに女王様。世界が、ぱっと明るくなった感じだ。このお城を造ることを許した先輩の先生方、温かく支えた周囲の方たちも凄い▼声優永井一郎氏の訃報が入ってきた。国民的漫画「サザエさん」のお父さん「波平さん」の声で広く知られている彼は、仕事先で急死された▼新しい万能細胞「STAP」(彼女はキスで目覚めた「お姫様細胞」と提案したかったらしい)を世界で初めて作ったうら若き女性と、医療を受ける間もなく急死された日本の代表的なお父さん。対照的だが、私の頭の中を「白い割烹着」姿がよぎった。小保方さんは白衣代わりに割烹着を、サザエさん一家を支えていた波平さんの妻、フネさんもほとんど割烹着姿だった。日本のおふくろの姿に、なにかほっと心和む。猛スピードで機械化していく医療の世界に必要なのは、この割烹着かもしれない。剛と柔・智と情・和と洋などのバランスがますます要求されるのではないだろうか。(名)