代議員に今次診療報酬改定でアンケート  PDF

代議員に今次診療報酬改定でアンケート

「改定率」に8割超が不満 「外来包括点数」には否定的

 保険医協会は1月30日の代議員会で、代議員等出席保険医を対象に、14年度診療報酬改定に係るアンケート調査を行った。アンケートでは、「改定率」「現時点の骨子(1月15日)」「主治医機能に係る外来包括点数」「うがい薬のみ処方の保険適用除外」について尋ねた。結果は次の通り。

1、改定率について

 改定率について、プラス0・1%とされたが、消費増税補填分を差し引くと実質1・26%のマイナス改定となったことについて感想を尋ねた。

 「大いに不満」が32人(43%)と最も多く、「不満」が31人(41%)と続き、合わせると84%にのぼった。「仕方がない」が11人(15%)あったが、「満足」との回答はなかった(図1)。

 改定率については、不満に思っている保険医が圧倒的に多いことが分かった。

2、消費増税対応について

 消費税率引き上げに伴う対応について「基本診療料等への上乗せを中心としつつ、個別項目への上乗せを組み合わせる形での対応が基本」と中医協で決められているが、どのような上乗せ方法がよいと考えるか尋ねた。

 「厚労省案(2)(財源のほぼ「全額」を基本診療料に配分)」との回答が最も多く53人(71%)あった。「厚労省案(1)(財源の約「3分の2」を基本診療料に配分)」は、16人(21%)であった。「その他」との回答も6人(8%)あった(図2)。

 できる限り基本診療料への上乗せを望む意向が伺えた。

3、「現時点の骨子」について

 中医協「現時点の骨子」(1月15日)で示されている内容のうち、回答者の関心のあるものについて、賛否を求めた。

 最も賛成の数が多く、割合も高かったのは「介護保険の訪問看護を受けている患者に対して、点滴注射を一定程度行った場合、在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定できるようにすること」であった。これまで算定できずに改善が求められていた内容だけに、注目されていることがわかる。

 逆に最も反対の数が多く、割合も高かったのは「維持期リハビリテーションを受けている入院外の要介護被保険者等について、医療保険から介護保険のリハビリテーションへの移行を促進させるための、移行させた場合の評価」であった。維持期リハビリをとにかく介護保険に移行させたいとの思惑が透けて見え、回答にはそれへの危機感が表れている。

 なお、どの項目についても一定「どちらとも言えない」との回答があり、現時点ではまだ判断しかねている現状も明らかとなった(図3)。

4、主治医機能に係る「外来包括点数」

 主治医機能を評価する「外来包括点数」が導入された場合、算定しようと思うかどうかを尋ねた。

 「できれば算定しない」の回答が最も多く31人(42%)、「絶対算定しない」との回答も8人(11%)あった。算定に否定的な回答が過半数を占めた。一方、「患者によって算定」が16人(21%)、「点数によって算定」が6人(8%)あったが、「積極的に算定」との回答は皆無であった。慎重な姿勢が伺えた(図4)。

5、うがい薬のみ処方の保険適用除外

(1)賛否

 「うがい薬のみ処方の保険適用除外」の方針が示されていることについて、賛否を尋ねた。

 「賛成」は10人(13%)と少なく、「反対」が47人(63%)と多数を占めた(図5)。

(2)「反対」の理由

 「反対」理由を尋ねたところ、「効能・効果が認められた上で薬価基準に収載されていることと矛盾」が最も多く、28人、「うがい薬のみの処方は十分あり得る」「今後他の分野にも保険適用除外が拡大される恐れがある」がそれぞれ26人で続いた(図6)。

6、まとめ

 今回のアンケート調査から保険医は、14年度診療報酬改定の改定率について、不満に思っており、消費増税に係る補填については、できるだけ基本診療料に上乗せして欲しいと考えていることがわかった。

 また、中医協で示された「現時点の骨子」の内容について「訪問点滴注射指導料の対象拡大」等については歓迎しているが、まだ賛否を判断しかねているものもあった。

 主治医機能に係る「外来包括点数」算定は否定的で、効能・効果が認められた上で薬価基準に収載されていることと矛盾があるなどの理由で、うがい薬のみ処方の保険適用除外に否定的な姿勢が明らかとなった。

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