主張/安倍政権の横暴を阻止
1月29日に労働政策審議会の部会が現在3年となっている労働者派遣の受け入れの上限を廃止して、3年ごとに入れ替えることで企業は同じ職場での派遣労働者を無期限に継続できるとした建議をまとめた。通常国会に改正案を提出し、2015年4月に実施することを目指す。これを受け、企業は正社員を賃金の安い派遣労働者に置き換える可能性があり、労働者保護の後退が心配される。この改正法案は、企業側の利益を優先した改正であり、ブラック企業を推進する規制緩和ではないだろうか。安倍政権の目指す「世界一企業が活動しやすい国」への一連の流れであろう。このことは私たち国民にとっては、「世界一国民が生活しにくい国」を意味する。
昨年暮れの特定秘密保護法や社会保障制度改革プログラム法の国民の声を無視した強行可決。今通常国会ではさらに集団的自衛権の解釈改憲も議論され、日本を戦争のできる国へと進めようとしている。また医療においては医療・介護制度改正の一括法案が審議される。これまでのような横暴な政治の進め方を私達は決して許してはいけない。
しかし、「責任野党」という立場をとり、安倍政権にすり寄る姿勢をみせる野党もあり、その横暴を止めることを野党には期待できない。4月の消費税増税後の景気の動向はまだ不透明なところもあり、増税後に景気が後退したり、これまで通りの国民の声を無視した横暴な政治を続けるならば、安倍政権も盤石ではない。これらを考えると、4月の消費税増税までに、安倍政権はさらに今まで以上に新自由主義改革を数の力で加速させていく可能性がある。TPP交渉もオバマ大統領がアジアを歴訪する4月までの妥結を目指すと思われる。このような情勢の中、私達は4月の診療報酬改定に向けて準備等を行わなければならず、それに力が削がれる状況にある。4月という重要なポイントに向け、安倍政権の動向をしっかり監視し、私達国民の力で安倍政権の横暴を食い止めていかなければならない。