地域連携パスに在宅医療の視点を/乙訓医師会と懇談
12月9日 乙訓医師会・会議室
協会は乙訓医師会との懇談会を12月9日に開催。地区から8人、協会から5人が出席した。乙訓医師会の橋本京三副会長の司会で開会、水黒知行会長はあいさつで「民間機関が全国812市区を対象に実施した全国市区『高齢化対応度』調査で、長岡京市が総合評価29位、医療・介護14位と高評価を得た。乙訓医師会が長年、医療・介護・福祉の連携を活動の中心に据えてきた一つの成果と考えている。今後も地域での活動に尽力したい」と述べた。
14年度診療報酬改定で多剤投与(7剤ルール)による減算問題が議論されている点について、地区より「減算は薬価差益のない現在では意味をなさない。厚生労働省側に有利な制度を一度導入したらそのままだ」「患者からは院内処方を望む声が大きい。高価な薬剤も処方するため、医療機関にとっては大きなマイナス。規制は早く撤廃して欲しい」との意見が出された。これに対して協会は「協会のアンケート結果では『主病以外の疾患対象の薬剤の処方を制限した』『別の日にあらためて受診してもらった』など減額回避で対応した医療機関が約4割に上る。規制が撤廃されれば対応も不要になる」と答えた。
在宅療養支援診療所のあり方について、地区より「乙訓医師会ではどの医療機関でも支援診療所を認めてはどうかとの意見もある。在宅医療に特化する医療機関の形態は見直す方がよい」との意見が出され、協会は「支援診療所でない医療機関の10%強は看取りをしているとの資料がある。その点をどう評価するか厚生労働省も意識しているようだ」と述べた。
地域連携パスの問題点について、地区より「脳卒中や大腿骨頸部骨折の患者が救急搬送された場合は主治医の知らぬ間に入院し、回復期病院へ転院する。病院と在宅医療で情報が途切れているため、患者の元々の主治医が分からない。在宅医療に携わる医師の参加が必要だが、診療報酬上の評価がないため厳しい。各地区医師会主催の会合への参加で要件を満たすシステムを確立して欲しい」との意見が出された。協会からは「勤務病院が回復期リハで第二段階を担っている。第二段階で自院に受け入れる患者も第三段階の話は出ず、第三段階で連携パスの流れに乗る患者はいない。病院から何とか在宅へ戻そうと苦心している」と病院側の実情を報告した。
その他、社会保障制度改革、医療事故に係る調査の仕組み等のあり方、高齢者住宅の入居者への医療提供に係る問題点についても意見が出された。