主張/診療報酬補填では損税解消せず 早急に抜本的な解決策を
新しい年を迎えた早々、おめでたくない話から始める失礼をお許しいただきたい。この春は診療報酬の実質マイナス改定、消費税率8%への改定が実施される。その結果、医療機関の経営状態がますます悪化することも予想される。そうなると経費の見直しを迫られ休業補償などの保険料も削減対象として検討されることがあるかもしれない。医師の病気休業という滅多に起こらないこと、また考えたくないことへの備えなので致し方ないことだと思う。
しかし、そもそも危機管理というのはそういう滅多に起こらないことに対する備えなので、後悔しないようによく考えていただきたいと思う。最近通信販売の自動車保険、生命保険のテレビコマーシャルをよく見る。保険料の安さを売り物にしているものが多いが、保険内容や実際の評判をよく調べてみる必要がある。休業補償、保険医年金、医師賠償責任保険は長い年月をかけて会員の皆様に育てていただいた制度であり、今後もご愛顧いただきたい。
次に消費税率の改定により消費税損税の増加が見込まれるが、それに対する対応としては以前から「ゼロ税率」を提唱している。協会は毎年税制改正へのパブリックコメントとして、事業税非課税、特措法26条の存続を訴えている。保険診療は公共性が高く、その根拠の一つとして保険診療の非課税をあげてきた。「ゼロ税率」は言葉通りにとらえると0%の課税業者になるということになり、公共性の根拠がひとつなくなることになりかねない。現状通り非課税のままで、消費税の還付を受ける方法がとれないのか現在模索中である。
いずれにしても現状のように診療報酬で補填する方法では損税は絶対に解消しない。消費税率が上がればそれは拡大するのだから、抜本的な解決策を要求していきたい。