第184回定時代議員会開く  PDF

第184回定時代議員会開く

一体改革・TPP反対を表明

京都府保険医協会は1月31日、第184回定時代議員会を開き、2012年度上半期活動報告および下半期活動方針、決議案を採択した。代議員61人、理事者21人の出席で、岡田議長と茨木副議長が進行した。

上半期重点活動を総括

まず、増田副理事長から12年度上半期の活動を総括。社会保障の根幹を揺るがす社会保障制度改革推進法については早くから警鐘を鳴らし、廃案を求める会員署名、国会議員要請に取り組んだ。また、同法の成立を受けた談話の発表や京都府知事への要望、および京都府との懇談を開催。推進法の抜本改正および廃止をはじめ、さまざまな医療施策について改善を求めた。

また、TPP参加問題については、参加型講演会の企画をはじめ、協会を含めた各団体が結集したTPP参加反対京都府民集会の開催、「TPP反対京都ネットワーク」の結成や医療者の立場からみたTPPの問題点を考察した書籍の発刊を行った。

診療報酬改定対策では、追加通知や事務連絡等の周知に努めるとともに、医療機関の実態を把握するための各種アンケートを実施。このうち、管理栄養士配置義務化の問題については、厚生労働大臣らに要望書を提出した。さらには会員を対象に7種類以上の内服薬を投薬した場合の薬剤料の逓減および処方料・処方せん料の減額問題、後発医薬品の使用促進の一方で、品質に問題があるものが存在する問題についてアンケートも実施した。

経営関係では、共済制度の充実や13年度税制改正を見据えた活動、医療安全対策では学習会開催や講師活動、総務関係では文化活動などを報告した。

新自由主義の政治から訣別を

議事では、垣田副理事長が情勢を報告。3党合意による社会保障制度改革推進法が成立したことで、今後の社会保障の在り方が歪められる点を指摘。さらには、推進法に位置付けられた「社会保障制度改革国民会議」の危険性についても言及。強力な権限をもつ会議体が、社会保障の当事者を加えず、国民生活や医療の現場と乖離した形で作られたことが大問題だと指摘した。

協会は医療提供体制の改革と開業医医療の再評価を求めるとともに、新自由主義の政治から脱却し、新たな福祉国家を目指す取り組みを粘り強く進めていきたいと報告した。

協会の重点活動方針を確認

情勢報告を受けて、関理事長が活動方針を提案。(1)社会保障制度改革推進法への対応、(2)地域医療における開業医医療の再評価、(3)TPPへの参加阻止、(4)脱原発への転換実現、(5)次回診療報酬改定に向けた対応の推進、?会員からの要望への対応強化を重点課題として挙げた。

特にTPP問題については、これまでのさまざまな施策により疲弊した開業医医療に追い打ちをかける以外の何ものでもない。今、必要なものはグローバル化への対応ではなく、グローバル化で進んだ地域医療の崩壊や国民の貧困状態、格差の拡大を解決するための新しい政治であることを強調。協会はこの新しい政治を求め、邁進していきたいと述べた。

提案はすべて賛成多数で採択され、質疑応答では代議員から安倍政権の経済政策やTPP問題についての意見・要望が寄せられた。

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