医界寸評
悪いことをすると「畳の上で死ねないぞ」。家族に看取られ、死亡診断書には老衰と書かれて「畳の上で」幸せな人生を終えることが理想だった
▽高齢者が集まると『終活』(死ぬ時の用意)の話になる。ほとんどが延命装置を着けないでほしい、痛みだけは止めてほしいと望む
▽麻生副総理の発言が問題視された。「いいかげん死にたいと思っても『生きられますから』なんて生かされたんじゃかなわない。しかも政府の金でやってもらっていると思うとますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと」と社会保障制度改革国民会議の場で発言した。「私個人の人生観だ」と即座に撤回釈明。TPOを考える以上に、終末期医療の法律的なものを整備するのが政治家の役目ではないのか。医療に全ての責任を押し付け、悪役扱いにされるのはおかしい
▽「ちびくろサンボの絵本が廃刊になったと聞いた時は悲しかった。チビ・クロが差別語とは思わなかった、愛称と思っていたのに」と言っていた女性もいた。多くの日常用語が差別語となり混乱した。「自分ではメクラと言っているのに視覚障害者なんてかえって差別されているみたい」と言う人もいる▽人権・人間の尊厳を尊重すべきだが、木を見て森を見忘れているのかもしれない。「ベッドの上でも楽に死ねないぞ」と覚悟を決めるか。(名)