乙訓医師会と懇談  PDF

乙訓医師会と懇談

12月10日 乙訓医師会会議室

真の地域包括ケアシステム確立へ

 協会は12月10日、乙訓医師会との懇談会を行った。地区から16人、協会から6人の出席だった。懇談会は橋本京三副会長の司会で進行。冒頭、地区から水黒知行会長が挨拶し、現在、地区が乙訓2市1町と協力して取り組んでいる地域包括連絡協議会の活動等も踏まえて意見交換し、協会と連携して活動を強化したいと述べた。

 関浩理事長の挨拶の後、協会から「診療報酬改定と地域医療体制の展望について」を田中正明理事から、「社会保障制度改革推進法と開業医医療の役割」について垣田さち子副理事長から解説した。

 意見交換では、地区より在宅医療の推進がいわれているが、会員医師のキャパシティは限界に近づいていることがこの間のアンケートで示されている。地域では、訪問看護をはじめとした介護資源も不足している。また、在宅点数の複雑さは無駄ではないか等、実態に基づく問題意識が多々述べられた。また、「地域包括ケア研究会報告書」が、地域包括ケアを支える人材の役割分担として在宅を担う医師の役割を、在宅医療「開始時」の指導と「急変時」の対応とし、あとは看護師や介護職に任せるとの考えを打ち出していることに触れ、この政策は給付費削減策である。地域包括ケアシステムは必要だが、地域での自分たちの実践と、国の方向にはズレがある。しかし、地域に必要性がある以上、医療専門集団として努力しなければならない。医師の主張だけでなく、行政も巻き込み、地域包括ケアシステムを良いものにしたい。

 さらに協会に対しては、私たちでは荷が重い部分を担ってくれており、期待している。開業医だけでなく、地域医療を支える中小の病院も包括の中に組み入れるシステムを作りあげることが必要だと思う。協会のプレゼンテーションは問題提起として共有できる。協会はさらに具体的なプランを示してほしい。他地区、全国の取り組みの紹介もしてほしい等の意見が寄せられた。

 続いて、関理事長からTPP交渉参加に関して解説した。

 意見交換では、反対だけでなく、協定が結ばれてしまった後の対策も考えるべきではないか。患者さん向けの宣伝物を作ってほしい等の意見が出された。

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