与謝・北丹医師会と懇談
12月15日 プラザホテル吉翠苑
独居の増加など問題点明らかに
協会は12月15日、与謝医師会、北丹医師会との懇談会を開催。地区から13人、協会から5人が出席した。懇談会は北丹医師会・齊藤冶人副会長の司会で進行。協会からは最新情勢や「3党合意の結果成立した『社会保障制度改革推進法』の問題」「開業医医療の今後の方向」「韓米FTAに学ぶTPPの問題」の話題について情報を提供した。
意見交換では、地区から「TPPの問題は知れば知るほど大変な問題だ。昨今の領土問題絡みで、親米の人は米国に頼りたいとの思いがあり、TPP参加に反対しない。例え日本がTPPに参加しなかったとしても、米国は自国の利益のため、また次の手立てを考えるだろう。日本独自で国を守るという体制作りのためには憲法9条の改正も必要ではないか」という意見も出された。また、「TPPは米国の利益保護のための貿易だ。米国企業が日本をターゲットにしたいというのが本音。世界の趨勢を見ても歴史的にも、自由貿易から保護貿易への流れは顕著だ。昨今、領土問題が熱いといわれているが、日米同盟を考える時、米国が守るのは占守している所だ。米国防省からすれば竹島は韓国領で、日本の味方にはなりえない。日本のいきすぎをむしろ止めろというだろう。尖閣諸島は日本が占守しているとの見方から守るだろうといわれているが、あいまいだ」など議論がなされた。
在宅医療・訪問看護に関しては、京都市内と当地との違いや状況が語られた。また「訪問看護ステーションが三つあり、パートも含め20数人の看護師が働いているが、もしステーションがなければ、それぞれの診療所に看護師が勤めてもらえたという考え方もある。ステーションから手伝いに来てくれるような、相互に助け合えるシステムができればよい」、「訪問看護ステーションは、月1回の指示書・訪問看護報告書で動くのはストレスだと思う。薬剤の管理・保管などの問題もあり、特に麻薬を出すのは簡単だが、クリアカットな処理の仕方、破棄の仕方を知っておかないといけない」との要望や危惧が出された。
協会からは、ケアする家族がいれば在宅は可能だが、京都市内では独居が多い。上京地区の警察医によれば、年間100人、週に2例ぐらいの異状死があるとの話を紹介した。これに対し、宮津でも警察医は年間50〜70回、週1回のペースの出動があり、署によっては1人で年間200人近くを診ている警察医もいる。以前とは様変わりしており、むしろ京都市内より厳しい状況で、子どもは京都・大阪に勤めていて独居ばかりであるとの説明があった。家族の希望で最終的には病院に入院することが多いが、幸いにも当地は病院が充実している。連携は非常にうまくいっているので、この関係を続けていきたいと述べられた。
また、当日は衆議院選挙前日だったこともあり、選挙争点にも話がおよび意見交換を行った。最後に与謝医師会・中川長雄会長から閉会挨拶が行われ、年1回の懇談会は終了し、場所を移して懇親を深めた。