4000のふくろうに囲まれて
武田道子氏のコレクション拝見
武田道子氏(武田病院)のふくろう収集のきっかけは、20年前のお孫さんとの東北旅行。道沿いにあった無人の小屋に、一つだけ寂しそうに残っている、ガラスのふくろうを見つけて購入したことから始まった。5年ほどをかけて約600〜700点のふくろうを集めたところ、そのことを雑誌「家庭画報」が特集。知人に一気に知れ渡り、お土産など現在は4000点以上のコレクションが家のあちこちに飾られている。最近では、知人が飼っているコノハズクを引き取ってもらえないかと声をかけられたこともあったと、笑っていらっしゃった。
まずは玄関にて信楽焼陶芸家の小嶋克山氏、九谷焼陶芸家の北村隆氏のふくろうがお出迎え。作品の大きさに驚きつつ、リビングへ。こちらも見渡すかぎりのふくろう。香木彫りや陶器、象牙彫刻、陶板、剥製とさまざまなふくろうが所狭しと並べられていた。国籍も多彩で、ふくろうの表情が国によって全然違う。
コレクションの中で一番のお気に入りは? と尋ねると、清水焼陶芸家の名匠、叶松谷氏の作品をあげられた。ゲストの欲しいものを京都の匠にオーダーメイドするという趣向のKBS京都の番組「キョウトクチュール」で、平安神宮の宮司である九條道弘氏の夫人から贈られたもの。おふたりがご友人であり、武田氏が長年KBSラジオに出演されていたことも縁となったそうだ。