医界寸評  PDF

普通、同じ商品はどこでも同じような値段で買える。同じ仕事なら報酬も同程度もらえると期待する。

 医療従事者もそのはずだが、事務職員、看護師や技師、医師と、報酬が区分されて決まっているわけではなく、よくわからないことも少なくない。

 しかし、調剤料というのは他の医療費と区別されて決められている。この調剤料だが、単純化するために外来の内服に限ると9点である。薬剤師が常駐していると、月1回だが調剤技術基本料8点がこれに加わる。足しても17点。

 調剤薬局であれば薬剤師常駐は当然で、調剤料は5〜89点、これに調剤基本料40点が加わる。足せば少なくとも45点。

 同じ仕事をしても28点の差である。違い過ぎないか? もちろんこれが直ちに給与に反映されるわけではないが、病院薬剤師にしてもモチベーションの高まる話ではなかろう。

 だからというわけでもないだろうが、卒業後は調剤薬局勤務という学生が多い。しかし、医療は事務も含め多業種が協力し成り立っている。その典型である病院勤務の経験を希望する学生が多数派ではなさそうなのが残念だ。

 国の医薬分業促進策が妙な歪みを生み出し、もしかしたら病院や診療所と調剤薬局の反目を生み出しているのではと、ふと不安になる。DivideandRuleという政策で大帝国が形成された歴史もあったことであるし。(MYCONOS)

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