2012年7月1日から改正育児・介護休業法の適用
従業員100人以下の事業主にも
2012年7月1日から、これまで適用が猶予されていた従業員100人以下の事業主にも改正育児・介護休業法による以下の制度が適用されるので、ご留意いただきたい。
1. 短時間勤務制度(所定労働時間の短縮措置)
3歳未満の子を養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる、短時間勤務制度(1日の労働時間を原則として6時間とする措置)を設けなければならない。
留意点
運用だけで実施されているだけでは不十分。就業規則に規定される等、制度化された状態になっていることが必要。
対 象
- 短時間勤務をする期間に育児休業をしていないこと
- 日々雇用される労働者でないこと
- 1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
- 労使協定により適用除外とされた男女従業員でないこと。
手 続
- 短時間勤務の適用を受けるための手続きは就業規則等の定めによる。
- 事業主は、適用を受けようとする従業員にとって過重な負担を求めることにならないよう配慮しつつ、育児休業や所定外労働の制限など他の制度に関する手続きも参考にした就業規則を定めることが必要。
2. 所定労働時間の制限
3歳未満の子を養育する従業員が申し出た場合には、事業主は所定労働時間を超えて労働させてはならない。
留意点
あらかじめ制度が導入され、就業規則等に記載が必要。
対 象
原則として3歳に満たない子を養育するすべての男女従業員(日々雇用者を除く)。ただし、勤続年数1年未満の従業員と週の所定労働日数が2日以下の従業員について、労使協定がある場合は対象とならない。
手 続
所定外労働制限の申出は、1回につき、1カ月以上1年以内の期限について、開始予定日と終了予定日等を明らかにして、開始予定日の1カ月前までに、事業主に申し出ること。申出の回数に制限はない。
3. 介護休暇
要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う従業員は、事業主に申し出ることにより、対象家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、1日単位で休暇を取得することができる。
留意点
- 介護休業は、労働基準法で定める年次有給休暇とは別に与える。
- 「要介護状態」とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいう。
- 「対象家族」とは、配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母および子(これらの者に準ずる者として、従業員が同居し、かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹および孫を含む)、配偶者の父母をいう。
- 「その他の世話」とは、対象家族の介護、対象家族の通院等の付き添い、対象家族が介護サービスの提供を受けるために必要な手続きの代行その他の対象家族に必要な世話をいう。
- あらかじめ制度が導入され、就業規則等に記載が必要。
対 象
原則として、対象家族の介護、その他の世話をするすべての男女従業員(日々雇用者を除く)が対象。ただし、勤続年数6カ月未満の従業員と週の所定労働日数が2日以下の従業員については、労使協定がある場合には対象とならない。
手 続
介護休暇の申出は、休暇を取得する日や理由等を明らかにして、事業主に申し出ること。介護休暇の利用については緊急を要することが多いことから、当日の電話等の口頭の申出でも取得を認め、書面の提出等は事後となっても差し支えないこととする。