【震災・原発問題の特集】日本は必ず脱原発を!
韓国の原発問題を学習
保団連近畿ブロックは9月29日、キャンパスプラザ京都において、韓国・東国(トングク)大学教授の金益重(キムイクチュン)氏を講師に、「韓国の原発問題」について講演会を開催、41人が参加した。
韓国では現在23基の原発が稼働。数年後には28基、12年後には42基になると政府は計画している。世界一の密集度となる。福島第一原発事故を受けて、多くの国では脱原発へ政策を転換したが、韓国、アメリカ、フランス、カナダでは政策の変化がなかった。
原発産業は、危険でコストもかかる斜陽産業である。発電の単価についても、原発は施設の整備、廃棄物処理など、太陽光に比べはるかにコストがかかる。しかし、日本と同じように、韓国政府は、安全性に関する嘘や、補助金支給等で地域経済を依存させ、市民をだまし続けている。
また、韓国の原発では、延べ660回以上の故障及び事故が発生しているが、明るみになったものは、約10回だけである。隠蔽体質も日本と同じである。また万が一大事故が起きた場合の賠償金についても5000億ウォン(約400億円)を上限と定めている。慶州にある原発で事故が起こった場合、1人あたりたった4万円ほどが支給される計算になる。
脱原発は可能だろうか。韓国において、反原発運動は、立地地域だけの運動に留まり、反原爆運動は別に行われていた。しかし、東電福島第一原発事故により、「核なき社会のための共同行動」(韓国にある市民団体すべてが加入する)が設立され、反核運動としてともに取り組むようになった。
そして、政策の大きな転換のためには、12月に行われる大統領選挙が重要である。第1野党である民主党候補たちが脱原発を意思表明しているが、公約ではない。今後の働きかけが重要だ。
そして、日本には必ず脱原発を実行してほしい、独立した医学的データを残してほしいと述べた。
翌30日には、第14回近畿反核医師懇談会を開催、医師たちと懇談を行った。原爆に対する韓国人の感情について、アメリカが原爆を日本に投下したため日本から独立できたということで肯定的にとらえられているため、韓国在住の広島・長崎の被爆者への関心の低さにつながっている状況が報告された。
講演する金益重氏