綾部・福知山医師会と懇談  PDF

綾部・福知山医師会と懇談

2月4日 福知山市中央保健福祉センター

地域包括ケアは地域の実態から出発を

 協会は綾部・福知山医師会との懇談会を2月8日に開催。綾部医師会から5人、福知山医師会から8人、協会から7人が参加した。福知山医師会・牧野吉秀理事の司会で開会。同会・尾嘉興会長と協会・関理事長の挨拶の後、協会から情報提供を行い意見交換に移った。

 まず地区からは、協会の医療安全対策における初期対応のあり方について、より積極的に情報開示や謝罪を行うのが現在の潮流ではないかと質問があった。協会は、患者・家族の嘆きに対しては心から共感の情を示すことはまったく問題ない。しかしそれが損害賠償責任を認めたことにならないように意識をしておくことが非常に重要。そして、事実を究明し必ず結果は伝えるということを約束するという二段構えで対応していただきたいと回答した。

 続いてジェネリック医薬品の利用促進策の是非を問う質問に対して協会は、有効性・安全性が先発品と本当に同等であれば安い薬は患者さんにとってもメリットがある。しかし、現状ではそうとは言えない。もっと承認審査を厳格化することと市販後の調査を義務付けて、副作用や効き方の確認をしっかりと行うこと。そういう基本的な信頼の上で推進というのであれば賛成である。しかし現状はこの根本を置き去りにしたままでジェネリックの割合を政策誘導のみで上げることが目的となっており問題であると回答した。

 5%の消費税率引き上げ分が社会保障の充実にはほとんど使われないことをどう考えるかという質問に対して協会は、充実だけではなく機能維持についても広い意味では社会保障なので、より問題となるのは消費税増税に伴って増える政府の消費税負担、例えば戦闘機購入にあたっての消費税分なども増税分に入っていたことだ。税率引き上げの議論についてもまず増税ありきではなく、法人税や所得税を含めた税制全体や社会保険料のあり方も併せて、国民生活の安定と安心の社会保障を実現するための財源という視点で議論がなされなければならないと述べた。

 地域包括ケアなどでは地域格差がまったく勘案されておらず、中山間地域では医療機関としては効率が悪いという話になる。この地域格差についてどう考えるかという質問に対して協会は、介護報酬改定でも国家公務員給与の級地の考え方が導入され、効率の悪い地方はますます引き下げられた。比較的サービスの豊富な都市部が引き上げられて、必死になってがんばっている所がかえって下がるというのは、まったく理解ができない。要は実態から出発した議論がまったくなされていないのが原因。急性期から在宅への流れでも、スムーズに在宅に帰れるというケースしか想定されていない。今年度より福知山医師会からも協会理事に就任いただいており、これまで以上に実態を反映させた政策提言をしっかりと行なっていきたいと回答した。

 最後に、綾部医師会・米谷博夫副会長の挨拶で閉会した。

綾部・福知山医師会と懇談(2012年2月4日)

20人が出席して開かれた綾部・福知山医師会との懇談会

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