協会共済制度委託の関係会社/2010年度決算も健全経営を維持
保険医協会の各種共済制度を委託している関係会社より2010年度の決算が発表されました。各会社の状況は以下の通りです(カッコ内は2009年度の数値)。
斡旋融資制度
京都銀行は引き続き、高水準を維持。平成23年4月より今後3年間に取り組む新中期経営計画「パワーアップ〜躍進と躍動〜」がスタートし、質の高い金融サービスの提供を通じ、経営ビジョンに掲げる「すべての地域でNo.1の競争力をもつ「広域型地方銀行」」を目指している。また、京都府保険医協会との斡旋融資制度でも健闘している。
保険医年金制度
本業のもうけを示す基礎利益は、東日本大震災による保険金支払いや株価の下落、変額年金保険での運用損失の穴埋め費用が増し、減少した生保が多かった。なお、運用利回りが契約者に約束した利回りに届かない「逆ざや」の額は、全般的に改善傾向が続いている。各社は今期、2012年3月期末より施行する新基準でのソルベンシーマージン比率を発表した。いずれも旧基準から比率は低下するものの、金融庁の早期是正措置の対象となる200%を大きく上回っている。新旧の値を比べると、変動リスクの大きい株式を多く保有する生保ほど大幅な低下率となり、各社はリスク資産を圧縮する方針を打ち出している。
医師賠償責任保険・休業補償制度
国内経済は、経済政策により個人消費が持ち直し、アジアを中心とした海外経済の改善を背景に輸出や生産が増加したが、失業率が高水準で推移するなか所得環境も厳しい状況が続き期半ば以降は輸出が減少へと転じ個人消費も頭打ちとなり景気の回復は緩やかなものとなった。また平成23年3月に発生した東日本大震災で協会関係各社の建物や設備にも大きな被害を受けるなどし、一部閉鎖を余儀なくされる状況となった。しかしこのような中、協会関係各社は世界トップ水準の保険金融グループとしての企業価値の向上と健全な事業運営を行い、グループとしての総合力を結集して収益力の強化を行なっている。そのため金融市場の厳しい状況下にありながらも、十分な純資産を保持し、ソルベンシー・マージン比率も引き続き健全な水準を保っている。
解説 格付けについて
R&I 格付投資情報センター
保険金支払能力に対する格付けは、保険会社の保険債務が約定通り支払われる確実性についてのR&Iの意見であり、個々の保険契約の支払いの程度に対する意見ではない。
AA……保険金支払能力は極めて高く、優れた要素がある。
A………保険金支払能力は高く、部分的に優れた要素がある。
プラス(+)、マイナス(−)表示…AA格からCCC格については、上位格に近いものにプラス、下位格に近いものにマイナス表示をすることがある。
S&P スタンダード&プアーズ
発行体格付けは、証券の購入、売却、または保有を奨めるものではなく、また、時価や特定の投資家に対するその証券の適合性について言及するものでもない。
A………債務を履行する能力は高いが、上位二つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化からやや影響を受けやすい。
BBB…債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い。
プラス記号(+)、マイナス記号(−)…「AA」から「CCC」までの格付けには、プラス記号またはマイナス記号が付されることがあり、それぞれ各カテゴリーの中での相対的な強さを表す。
※1 損害保険会社の保険本業での「収益力」を示す指標。正味損害率と正味事業比率の合算値。一般的にこの値が低いほど保険会社の収益性が高いといわれている。
※2 通常の予測を超えて発生するリスク(大災害等)に対応できる「支払余力」を有しているかを判断する行政監督上の指標のひとつ。この比率が200%を下回った場合、監督当局により早期是正措置がとられる。