私のすすめる児童書  PDF

私のすすめる児童書

子どもたちに伝えたい平和

 わが家に孫ッ子たちが現れるようになってから、私は本屋に入ると児童書の棚をのぞくようになった。昔と異なり児童書の量も内容も非常に豊かになった。戦争を振り返り、平和を築こうとする本にも出会った。小さな客たちの反応を見ながら、その一部をここに紹介しよう。

(幼児〜小学校低学年対象)

 『そして、トンキーも死んだ』は、空襲に備えて殺された上野動物園のゾウの話。動物の死として身近なイメージ。

 子どもの発達段階では理論的なことや、抽象的な戦争でさえ理解できるようになるのは10歳を超えてからである。従ってまずは身近な題材を取り上げ、老人が体験談として話してあげる形が望ましい。

(小学校高学年対象)

 『いわたくんちのおばあちゃん』、いっしょに写真に写った家族がみなピカで死んでしまった。だからひとといっしょに写真を撮らないおばあちゃんの話。

 『新版 ガラスのうさぎ』は、『はだしのゲン』や『アンネの日記』などと共に定番。東京空襲で独り生き残り、健気に生きた少女の話は幾度読んでも感動する。

 『ハンナのかばん』は、アウシュビッツからのメッセージ。戦後、一日本人女性により、ハンナの一人の兄のトロント在住がわかった。

 『ようすけ君の夢』は、佛教大学社会福祉学部ゼミの学生たちとナガサキ被爆者とで作成。被爆者の子どもで、先天的な心臓病を持ち、短命に終わったようすけ君と小学5年の僕との友情を元に、平和への願いが美しく清らかに描かれている。

(エネルギー問題を考える)

 『バーバパパのプレゼント』は、人気シリーズの一冊。寒い国でもらった熱帯の鳥を温めようと、水力、風力、太陽光、人力発電などバーバパパが考えるが、最終的には無理せず、鳥たちを南の国へ返すという話。子どもたちも繰り返して読む。(乙訓・村井 歌)

ようすけ君の夢―平和への思いをこめて被爆者と学生たちがつくった絵本

(1)そして、トンキーも死んだ

たなべまもる(著)、かじあゆた(イラスト)、1,365円、国土社(1982/11)

(2)いわたくんちのおばあちゃん

天野夏美(著)、はまのゆか(イラスト)、1,575円、主婦の友社(2006/8/1)

(3)新版 ガラスのうさぎ

高木敏子(著)、1,155円、金の星社(2000/03)

(4)ハンナのかばん―アウシュビッツからのメッセージ

カレン・レビン(著)、石岡史子(翻訳)、ポプラ社(2002/07)

(5)ようすけ君の夢―平和への思いをこめて被爆者と学生たちがつくった絵本

佛教大学黒岩ゼミ(著)、越智裕希美(イラスト)、上村吉、田中愛、真柳タケ子、クリエイツかもがわ(2008/07)

(6)バーバパパのプレゼント

A・チゾン(著)、T・テイラー(著)、山下明生(翻訳)、1,470円、講談社(1982/11/15)

ページの先頭へ