被爆者医療と福島原発事故について郷地秀夫氏が講演
当日は総会に先立ち、市民公開講演会を開催。「被爆者医療にとりくむ核戦争を防止する兵庫県医師の会」の郷地秀夫先生に講師をお願いし、「原爆症認定訴訟から見た福島原子炉事故被害―被爆者医療、原爆症裁判に取り組んで―福島原発事故・隠された事実とは」と題してお話しいただいた。郷地先生は被爆者医療に取り組む中で、原爆症認定訴訟・大阪地裁の証言台にも立たれた経験があり、内部被曝にも造詣が深く、講演でも内部被曝の脅威について強調された。広島・長崎原爆でも内部被曝による原爆後障害は大きな問題であったが、福島原発事故においても数年・数十年後に発病する後障害を考える必要があると述べた。さらに福島原発と広島・長崎原爆のエネルギー量、燃料使用量の比較を通して、福島原発は広島・長崎原爆よりはるかに多いウラン燃料を使用していることを指摘。プルトニウムを燃料に使用している3号炉は特に危険性が高いことを付け加えた。最後に原発事故を考える上でも、原爆放射線被害の実相、反核平和を希求する情熱が必要であると強調し、講演を終了した。
講演する郷地秀夫氏