ギリシア哲学を文化講座で学ぶ
京都府保険医協会は3月13日、第9回文化講座「初歩から学ぶ『ギリシア哲学』〜ソクラテスとプラトンを中心に〜」を協会会議室で開催、32人が参加した。講師は、哲学シリーズ2回目となる神戸松蔭女子学院大学文化総合文芸学科教授・山田道夫氏。
参加記 哲学の奥深さ感じた講座
私の経験では、「初歩から学ぶ○○」というタイトルの場合、「初歩」では到底理解不能の高レベルの羅列に終始することがよくある。しかし山田教授の講義は、ソクラテスやプラトンという名前は聞いたことはあっても内容は知らない私にも理解できるように構築されており心配不要であった。
ソクラテスには著作がないため、彼について直接知る手段はなく、弟子が著した彼との対話集等を通して間接的に知るしかないこと、から始まり、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、クセノポンの位置付けを示された。その上に立って、内容についてかなり詳細に解説された。
講義は一貫して全体の中での位置付けを確固としつつ、初歩レベルからかなり高いレベルまで、哲学の奥深さを十分に感じとらせるように構成することに成功を納めている。そして、もし本講が大学教養課程において開講されたならば、純哲を志願する学生が大幅に増加するのではないかと直感した。巷には哲学書が溢れているが、やみくもに手を出すと本の海に溺れてしまい、規範の学故、習熟度0%もしくはマイナスで苦しんだだけに終わるおそれがあるが、本講ではそんなことがないように哲学書の選択も明示されており、誠によく行き届いていると思う。
多数の会員先生方のご参加を願うとともに、次回もそして何度も開講されることを希望する。
(宇治久世・八木晴夫)
山田道夫氏による哲学シリーズ第2弾