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私のすすめるDVD/わしも死の海におった

50年封印された“もうひとつのビキニ事件”
高校生らの調査が光あてた真実

わしも死の海におった
わしも死の海におった
57分南海放送1,000円(税込)

▼1954年3月1日・マーシャル諸島、ビキニ環礁でのマグロ漁船被爆

▼米国が過去6回の水爆をしたことを公表したことで明らかとなった実験の凄さ

▼990隻越すマグロ漁船被爆の実態、50年間内に秘めた漁師(被爆者)の発言

◇ ◇

 高知県ビキニ水爆実験調査団(被災調査団副団長)山下正寿氏(元高校教師)の調査による、第二幸成丸元船員の証言は、衝撃的である。特に生活もまだまだ安定しない戦後10年の厳しい状況の中、放射能被害を強く訴えることもできず、黙ることを強いられた。マスコミに大きく取り上げられた第五福竜丸は被災後直ちに帰港して話題となったが、その後も続々と四国の港に寄港したマグロ漁船があった。それらの船の放射線カウントは異常な高さとなっていたし、魚も『例えばマグロは放射線の塊となっていた』とのことである。政府の調査船による結果でも、そのことは証明されていた。しかし、昭和30年(1955年)1月4日突如、200万ドルの慰謝料で話しをつけた日米政府は、この事件を封印したのである。

 被爆の実態や、その後の補償問題も封印されたまま56年が経ち、今、山下氏と一部のマスコミが事件の真相を公表した。『もう一つのビキニ事件』、そして今回皆様にお勧めしたいDVDビデオ―高知県ビキニ水爆実験被災調査団編平和文化発行『わしも死の海におった2010』南海放送テレビ局製作のビデオだ。

 山下氏が高校生と一緒に、蟹がこつこつと谷川で岩をつついて穴を開けるように頑張られた姿勢には学ぶべきものが多い。最近の米国エネルギー省元原子力委員会の機密文章の公開で、その証言と調査は事実であることが裏づけされた。この衝撃的ビデオを是非見ていただきたい。

(宇治久世・木村敏之)

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