医界寸評
想像を絶する巨大地震に日本は襲われた。今回の震災の被害とその後に起こった津波の被害がこれほどまでに大きいことを、これまで誰が予想できたであろうか。被災された皆様の一刻も早い回復を願ってやまない
▼一方において日本は、これまで経験したことのない少子高齢化の波に直面している。40年後には、65歳以上の高齢者は人口の4割を超えると推測されている。この波は一刻の猶予もなく目の前に迫っており、近い将来日本の国民に重くのしかかってくることは間違いない。今のままの情勢と社会制度でこの事態に直面すれば、世の中は立ち行かなくなってしまう。年金・医療・介護といった社会保障は今後どうあるべきかを、今国民皆が考えることが急務であろう
▼国民が満足できる社会保障を実現するために何よりも大切なことは、それを着実に実行できる財源の確保ではないか。無駄を省いて捻出するといった曖昧な財源論は、もう役立たない。大災害時の保障や少子高齢化にかかる社会保障に対して、その財源を国債などの借金に頼っていては、今後減り続ける我々の子孫に増々負担を負わせることになる
▼国会では相変わらず、違法献金や記載もれといった議員個人の問題で無意味な足の引っ張り合いが続いている。与野党といった狭い了見でなく、オール日本代表としての自覚を持って、一刻も早くこの問題に取り組んでもらいたい。(夢)