医界寸評
首相が、「税と社会保障の一体改革」と大上段に構えて始まった、ねじれと称される国会であるが、その報道は、小沢問題、鳥インフルエンザの発生、強権体制下のアラブ諸国でうち続く民衆の蜂起、新燃岳の噴火、大相撲の八百長問題など賑やかに紙面を飾るニュースに押され、控えめになっている。大変重要な問題であるから、ジックリ議論し、それが国民に十分知らされた上で、最後は有権者の判断とならねばならない
▼名古屋ではトリプル選挙が行われた。「減税」という一語で、民意を動かし、市長再選、議会解散、愛知県知事にも仲間を当選させるという、筋書き通りの結果になった。小泉さんが「自民党をぶっ潰す」で流れを作り選挙で勝利したのと似た感じがする。大阪でも人気のある知事が扇動しているように見受けられるが、各地で地域政党なるものがにぎやかになっている。これは日本の変革への流れになるのだろうか。大衆が変に流されてヒトラー登場などというとんでもないことになるのだけは御免蒙りたい
▼太平洋戦争への大政翼賛的報道や国有鉄道であることの足を引っぱり分割民営化へ民意を誘導するかのような政府の御用機関の如き報道も御免蒙りたい。変に流されず、目先のことだけでなく将来のことも国全体のことも考えられる有権者でありたい。それには何よりも確かな情報であり、それはシッカリした報道であろう。(門雀庵)