乙訓医師会と懇談  PDF

乙訓医師会と懇談

12月6日 乙訓医師会事務所

非医療職の医療行為で意見交換

 協会は12月6日、乙訓医師会との懇談会を開催。地区から13人、協会から5人が出席した。懇談会は乙訓医師会・稲田安昭副会長の司会で進行。片岡卓三会長から「乙訓医師会は新事務所に移り、以前よりアクティビティが高まった。協会も新事務所を構えたが、頑張ってもらいたい。政権は変わっても締め付けは相変わらずで、医療政策そのものに大きな変革はない。本日は実り多い会にしたい」と挨拶し、協会からは最新の情報提供をした。

 意見交換では、地区から予めテーマとして挙げられた「非医療職(医師・看護師以外)の医療行為について」は、まず地区から、ヘルパーを集めて「たんの吸引」「経鼻経管栄養」の講習会や2級ヘルパーの養成講座などを実施し、障害者に対しては訪問介護と在宅をみる医療ケア部会と支援部会を作り活動していることが報告された。その活動の中での疑問点として「指針の中で、接続部位を確認することは看護職員が行うことが適当である、という文書があり、今回はそれが介護職員になっている。今後はどちらでもよいことになるのか」など、現場での戸惑いがあげられた。さらに違法性の阻却問題について「在宅患者・障害者・特定支援学校・特養など場所が違うと取扱いが違う。将来的には同じになるのか。技術的なことは早く決めないと対処できない」。また評価に関しても、「医師が評価するのか、それとも指導看護師が行うのか。研修したヘルパーなどは、どのような形で認定され、どれくらいの経験として加算されるものなのか」といった疑問が示された。

 協会からは、「医師会ルートや現場で積み上げられたことが、最適な内容だろうと思う。介護職員か看護職員かとの質問は、業種の分担をしながら、人材育成をどのようにしていくかだが、最終的には、非常に緩やかな対応をしないとやっていけないだろう」とし、違法性の阻却についても、「その場における担当医師・主治医・療棟医長・院長などを対象に裁判が起こされているのが現状である。医療従事者が対象になるのは稀なことであり、判例が出ないので、認定できない」と述べた。

 また、地域包括ケアの理念や考え方について、地区からは「施設も病院も在宅も含め地域という概念で包括するということであり、正しい議論がなされていると思う。ただ、地域包括という言葉だけが独り歩きして、理念が置き去りにされている。介護保険が全部『民』に動いたものを『官』に戻すことが地域包括のあり方だった。当地区では、2月26日にシンポジウムを開催する予定で、施設・地域・在宅という区別なく、切れ目のない展開を地域でどう担うのか、システムをどのように構築するのかなど課題を明確にして、解決策を探りたい」と示された。

 協会からは「当地区は、さまざまな人と連携し、在宅医療を作りあげ、支えてきたという歴史がある地区であり、コミュニティーを作り上げられる土壌がある。現場から作り上げていくという民主性を、医療の現場でも積み上げてほしい」と回答した。

18人が出席して開かれた乙訓医師会との懇談会
18人が出席して開かれた乙訓医師会との懇談会

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