税理士と最近の動向について懇談
確定申告 予防接種による課税売上が増加
税務調査 交通費・交際費等での指摘増
京都府保険医協会は協会事業に協力していただいている5人の税理士と11月20日に懇談し、(1)09年分確定申告の状況、(2)10年度税務調査の動向を中心に意見交換した。当日報告された概要は以下の通り。
09年分確定申告の状況から見た顧問先の経営状況は、例年通りで特徴ないところや、収入金額が減少しているところがある。特に内科・小児科は新型インフルエンザの影響で夏に患者が減少した。一方で、小児科はインフルエンザ、肺炎球菌ワクチンの予防接種で結果的に増収となった。また、10年夏の猛暑の影響で整形外科の患者が減少した。しかし、ヒブ、日本脳炎、子宮頸がん、肺炎球菌ワクチンの予防接種で消費税の対象となる課税売上が増加し、消費税の納税義務者となったところがある。所得税は措置法適用なのに消費税は納税義務者となることに理解が得にくい。
これまで電子申告を拒否していた人が、受け入れるようになってきている。新規開業した眼科で設備投資の回収に時間がかかるところもある、などの状況の報告を受けた。
10年度の税務調査の動向については、調査件数は、夏ごろは少なかったが、秋から増加している。内容的には通勤手当、特に自転車通勤者への交通費の指摘が多くあった。車両関係についてはきびしく、ETCの記録で事業用の運行か否かを判断される。交際費は事実関係を追及され、実態と異なると修正につながる。患者の紹介等で病院・診療所間で商品券を贈り、それを換金した場合の税務処理にも注意が必要。薬や材料の棚卸しの単価が古いことなども指摘事項になったところがあるので注意したい。大阪堺署で医療機関に対する認識を深めるために勉強会を実施している。その勉強会に参加しているメンバーが右京署に2人いる。労基署の調査の後に、税務調査が入るケースがあったので、残業代等の遡及支払が生じた場合の税務処理については注意が必要との情報提供があった。
協会からは、保団連近畿ブロックで、調査は帳簿類を持ち帰らず、臨場調査を原則とすることを大阪国税局に要望していることを報告し協力を求めた。