京都北医師会と懇談
11月10日 京都ブライトンホテル
社会的弱者救済の姿勢で取組を
協会は11月10日、京都北医師会との懇談会を開催した。地区から9人、協会から5人が出席し、京都北医師会・稲葉正理事の司会で進められた。
田代研地区会長から、「協会は社会的弱者を救済する立場で取り組んでおり、今後もこの姿勢を大切にしていただきたい」と述べるとともに、「役員の先生から直接諸問題を解説していただける機会でもある。地区からも忌憚のない意見を述べたい」と挨拶。続いて関理事長の挨拶、協会からの情報提供を行った後、意見交換を行った。
意見交換では、新たな高齢者医療制度が介護保険の見直しと一体的に検討されていることについて、地区より、「医療と介護の役割について、ともに語り合い、医師の意見が反映される場が必要だと思う。国会審議の際に、議員に問題点を分かってもらうよう、協会は、問題点を指摘してほしい」との意見が出された。また協会は「給付が増えれば保険料負担が増えるため、結果として高齢者自身の負担可能な金額の10倍までに給付が抑制されることとなる。新制度も現行制度と同じ問題が残される」と新制度の問題点を指摘した。
国の地域包括ケアについては、地区からの「国の研究会報告では医師の役割が定期的な訪問診療から在宅医療開始時の指導に変えているが、医療に制限がかかるのか」との問いに対し、協会より「初回に医師が診察し、方針を定めて、その後の定期的な訪問はコ・メディカルが行うことを考えているようだ」と回答し、「この狙いは医療を急性期に特化させて、慢性期・維持期には医療費をかけないで、介護保険でカバーしようとする考えである。介護保険の財政も厳しいので、『互助・共助・自助』でやっていこうとするものだ」と述べた。
その他、個別指導について地区より、個別指導の弁護士帯同は、今まではなかったことで、興味をもっているとの意見があり、協会より「個別指導は密室で行われるので、高圧的な言動等で先生方が精神的苦痛を被ることのないようにするためである。協会は不正請求を擁護する立場にはなく、不正は正すべきだと考える。しかし、個別指導において保険医の人権が脅かされてはならない。そのための取り組みである」と回答した。
その他、保険請求や医療安全対策などの話題で質疑応答があり、閉会した。
14人が出席して開かれた京都北医師会との懇談会