新規開業医のための基礎を講習 集患対策、安全管理対策など

新規開業医のための基礎を講習 集患対策、安全管理対策など

 協会は6月12日、新規開業医のための基礎講習会を開催。8医療機関、9人の出席があった。関理事長の挨拶の後、経営部会・北村理事が保険医協会の利用の仕方について説明した。

 続いて、河原社会保険労務士は、集患対策としてのインターネット検索の有効性、医院を早く検索してもらうためのリスティング広告の効果とその方法を解説、医療安全対策部会・林理事は、医療法に定められた医療安全管理対策、間違いやすい薬剤名、ヒヤリハット報告の活用などを中心に、医療安全管理のポイントについて解説。保険部会・古家理事は、審査の流れと保険請求の留意点、行政指導の概要について説明した。最後に、総務部会・岩野理事から先輩開業医として、開業直後の苦悩やその後の経過、軌道に乗るまでの心構えをアドバイスした。

 参加者からは集患対策に関して、駅の看板効果について質問があり、社会保険労務士から、「標榜科にもよるが、最近ではインターネットと口コミに勝る集患はない。しかしながら、駅は多くの人が行き交う場所であり、駅看板は立ち上げ時に効果があるといわれている。ただし一度設置すると、取り外す時期が難しいため、設置の際は初期費用だけでなくランニングコストも勘案する必要がある」と説明した。また、「患者が増えてきた場合、予約制は取り入れるべきか」との質問については、協会から、「内視鏡など時間のかかる検査が多い場合は、予約制にすることで一日のスケジュール管理ができる。患者の待ち時間も短縮でき、患者の年齢層が若い場合は、とくに有用である。しかし、一日の患者数は制限されるので、増患はあまり期待できない」と述べた。

 さらにショッピングモール等で開催される健康祭りに出向き、健康相談を受けることについて、「医療法上の問題がないか」という質問には、「診療や医療行為を行う場合は臨時の医療機関として届け出る必要がある」と説明した上で、「顔を売ることは、大いに集患につながるだろう。積極的に協力を検討してもよいのでは」と助言した。講習会終了後は、参加者同士で近況を語り合う姿も見られた。協会は、こういった機会が新規開業医同士のつながりをつくる一助となればと考えている。

基礎講習をきく参加者
基礎講習をきく参加者

ページの先頭へ