保険医協会にご入会下さい

保険医協会にご入会下さい

理事長 関 浩
理事長 関 浩

 4月から診療報酬が改定され、再診料が診療所(▲2点)と病院(+9点)が同一点数の69点に変更されました。病院の増点は評価できるものの、診療所にとっては、地域医療貢献加算3点(要届出)を人質にと言わんばかりの減点です。標榜している診療時間以外でも患者からの電話での問い合わせに対応する必要があり、それが不特定多数からの連絡に備えなくてはならないとなれば届出は慎重にならざるを得ない状況があります。また医療の透明性を高めることを目的として、レセプト電子請求医療機関に明細書の発行が義務づけられました。しかしながら紙と事務作業の浪費であること、それに加えて内容は極めて微妙な個人情報であることなどを理由に「自分は発行したくない」といった声が多く届けられています。

 このような実情に合わない診療報酬改定や医療改悪に協会は対峙し続けています。成功例を挙げさせていただければ、レセプトオンライン義務化撤回訴訟の実質勝訴があります。協会から、(1)省令での診療報酬請求権の制限は憲法第41条違反(2)オンライン請求義務化は営業の自由を定めた憲法第21条違反(3)オンライン化は、情報漏えいの危険を孕んでいるとして神奈川・大阪訴訟を支援し、その結果、2009年11月25日レセプトオンライン請求義務化を定めた請求省令が改定、政府方針の変更を余儀なくさせ、我々保険医の仲間がオンライン請求義務化を理由に廃院せざるを得ないという最悪の状況は回避されました。

 医師が国を訴えるという運動は他に例を見ず、多くの医療機関からの反対署名や、裁判以外の様々な取り組みの展開は、原告団の結束を強固にし、運動を盛り上げました。どの運動でも共通して言えることは、医師一人での解決は難しく、一丸となって運動を推し進めていくことが絶対不可欠であるということです。政府からの決定を粛々と受け止め、実行するだけではなく、疑問な点や不満な点については、医師の権利を主張し、必要に応じて反対運動を進めていかなくてはなりません。

 そのためにも、ぜひ京都府保険医協会にご入会いただき、みなさまの声を我々に届けて下さい。それらの声一つひとつが、山積する医療問題を解決へ導く一歩となり、世界一の日本の医療制度を守る一助となると信じております。

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